2024-07-01から1ヶ月間の記事一覧
「それで超能力ってどんな?」 心配そうな、けどちょっとワクワクしてるような、そんな声色だった。平賀式部は横一列にカラオケのシートのに座る。野々野足軽達は、別に歌うつもりはないが、とりあえず落ち着いた曲を流す。 「えっと引かない?」 「まだそん…
「ここもなかなかいいかもね。かなり進んでそうだし……世界を渡る方法はまだわかんないけど……もう少しマニュアルを読み込めばそこら辺にまで辿り着けそうな気がするんだよね」 私は色々とここの船のデータを得つつ、世界の広さを知る。まあ大体ここに連れてこ…
「えっと、ここではまずいから、きて」 いきなり平賀式部はそんなふうに言って立ち上がった。いきなりのその行動に戸惑う野々野足軽。もしかしたらすでに関係を切ろうとしてる? とか考えが飛躍してまう。 だって世間の評価的には、力に目覚めた人達に対して…
パン――と平賀式部は机を軽くたたいた。それは激しくもなく、けど目の前の野々野足軽にはよくとおる音だった。一瞬キョトンとした野々野足軽。そして目の前の平賀式部をやっと認識したようにハッとした。 「えっと……俺……」 ばつが悪そうな野々野足軽。きっと…
あれから私たちはどんどん上に上がっていった。実際途中くらいで、やっぱり下もちょっと気になるな……とか思ったけど、私はそれを口に出すのはやめた。なぜなら私は指を切り離して途中からそれに下の方へと進むんで探索をしてもらってるからだ。 私たちが分か…
「つまらなかった?」 そんな風に目の前の平賀式部はいってくる。野々野足軽と平賀式部は夏休みを利用して二人で映画館にきてた。つまりはそれは所謂世間でいうところの『デート』というものだろう。 なにせ付き合ってる男女が二人っきりでお出かけしてるの…
「てかそもそも、メタリファーは何をやってるんだろう?」 何を持って、ここにいざなってるのか……今回の船でも最後の最後、船の乗員が全て息絶えようとしてるその時……というか、今回は全ての人が息絶えた後にどうやらメタリファーは現れたみたいだ。 そして…
「わかってますか? これはチャンスですぞ。何故か日本にばかりに現れてた超能力者が世界中に現れ初めました。彼らの『力』はきっと重要になる。わが国でも沢山の能力者を確保する必要があります」 「化け物の管理は、国がやるべきだ――とそういう事かね?」 …
彼らがいう神がその世界の神なのか……それとも最初からメタリファーを狙ってたのか……それはわからない。でもこの船はここにいる。色々と残ってるデータを吸い出して行くと、見えてくることがある。 けど大体の流れは、さっきの船と似てるところはある。元々が…
「またか……」 野々野足軽の頭にはピリピリとした反応があった。これは数か月前から実は野々野足軽にあった感覚だ。実際、最初のころはそれが何なのかわかんなかった。 ただ時々『声』が聞こえてた。それは苦しがってたり、不安がってたり、時にはうれしい喚…
これだけの船を罪人にあてがうか? と思うだろう。実際私もそうだ。だってこんな最先端みたいな船を罪人が使うなんてよっぽどのことがないとないだろう。 けどどうやらよっぽどの事をやるために彼らはこの船に乗せられたみたいだ。そもそもがこの船……舵とか…
ザザーーザザーー そんな雑音が聞こえてたきた。そして次の瞬間―― 「はは、ほら! どうだ!」 「もう~やめてよ~」 ――イチャイチャイチャイチャといきなり映像として映し出される男女の営み。私はとりあえず冷静に、冷静にその映像を閉じた。 「まあ……ね。…
「本当にあの時、強制的にでも配信を止めておけばよかったよ。そんなのあの状況なら不自然なくできた」 『そうですね』 あの時の事を野々野足軽とアースは思い出してる。悪魔が取り憑いてた女性から分離してダメージ蓄積したから、奴は闇を展開した。それは…
各国で沢山の力を保持してる超能力者たちが目覚めてた。遠くを観れるようになるものだっだり。皮膚を固く出来る者だったり、炎や稲妻を出すものだったり、それは様々な力として表れてた。ニューヨークにはリアルスパイダーマンが表れたとかなんとか…… そして…
私はとんでもない事実に気づいたかもしれない……メタリファーがただの自分の趣味でこの場所に私を……私たちを連れてきたかもしれないということだ。 「いや、いや流石に……ね」 実際メタリファーの思考はG-01でもわからなかった。そもそも考える器官があるのか…
一体何が起こってるのか? あの日……悪魔が暴れて、それが終息した日から段々と話題も落ち着いて行ってた。界隈では今でも活発に議論がされてるが、一般的には落ち着いてきてたんだ。なにせ毎日何かの話題が上がってる。ニュースとはいつでもどこにでもあるん…
私はこの船のセキュリティであった蜘蛛たちを得た。まあ実際蜘蛛である必要性はない。私は勉強も兼ねて蜘蛛を別の生き物に変えてみる。G-01の中に色々な生き物の情報があったし、私はとりあえず蜘蛛じゃなくて鳥にしてみた。小さくてかわいい雀の画像を拝借…
YouTubeのチャンネルである配信者がこんな事を言った。 「俺はフォースを授かった!」 そんな事を言うのは30代の映画評系チャンネルの人だった。実際その人は今迄も映画を使ってコメディチックな動画も上げてたから、視聴者の反応的には「今度はどんな動画だ…
何やらまっくろくて、目が赤い体長50センチくらいの蜘蛛の形をした何かが現れた。ここでこんなのが現れるって……もしかして…… 「キィーキィー!」 そんな声をあげて威嚇してる? 前足を上げて変なダンスをしてるようにも見えるけど、きっとそんなダンスのお誘…
私はスーと進む。そこに抵抗はない。最初はね。最初はとてもスムーズに進めた。けどどんどん私の動きは鈍くなっていく。別に私が原因がある……とかじゃない。 私は今、エネルギーの擬人化? 見たいな? だからこそ、私がスムーズに進めないは、その通路に原因…
「まあまあ面白かったよ」 そんな事をいって野々野足軽は立ち上がってその場を離れる。父親も息子と久々に野球観戦できたからそれだけで満足なのか、余計に引き留める……ということもなかった。 そして本来の目的を果たして、野々野足軽は部屋に戻ろうとした…
私はG-01のエネルギーをこの船へと生き渡らせることで船の外観というか、生活空間というか……そんな見た目にわかる部分ではなく、その内部、構造部に生き渡らせる。 実際は色々と内部のパーツも断絶してたりしてたりする部分はあるようだ。 「むむむ」 私はG-…
ストライクツー、あと一回でもストライクがキャッチャーミットに入ったら三振だ。流石にもう無理じゃね? と思ってる野々野足軽だが、父親の方は「まだ……まだだ」とか呟いて血走るような目で画面を見てる。そんな父親を見て「こわっ」とちょっと引き気味の野…
「おい、足軽。どうだ? 一緒に観るか?」 自宅の自室からちょっと飲み物でも取りに行こうと一階に降りた野々野足軽。するとそこにはビール片手にテレビの前を陣取ってる父親がいた。既に出来上がってるのか、顔が赤い。そんな父親に野々野足軽の母親が「あ…
この船はそこまで大きくないからG-01はメイン通路以外に行けそうにない。なので私はなにもせずにアイ達に任せるしかないか……とか思ってた。けどどうやらアイはサボる事を許してくれないみたいだ。 私にもっと働けと言ってくる。言っとくけど、私は今だってず…
(やってしまった……) そんな風に園田亮は思ってた。実際まさかこんな結果になるとは思ってもみなかった。 (じ、自重しようとは思ったんだ……けど……) 園田亮はバッドをみる。久々に握ってそして気持ちのいいバッティングが出来てしまった。それによって園田…
私達はその場を離れる。私はその間もさっきもらったデータを解析してる。そして上に行くと大きな横穴が空いてた。なのでそこから別の船に移った。そこはさっきのところほど大きくはない。なのでG-01はギリギリ通れる……くらいだ。けどこっちもそこそこ進んで…
「これは……ただ単の未来への予測へのそれの対応策ってわけじゃないんだね」 まあそれならアイがG-01へと送ってくるわけない……か。自分たちの未来なんてのは現状を分析したらわかるものだからね。それに含めて更には周囲の状況とかももちろん関係はしてくる。…
カキーン!! 青空を突き刺すように飛んでいく白球。その白い球は夏に向けてどんどんと高くなっていってる空の綿菓子に吸い込まれていくようだった。誰もがその光景を見上げた。その気持ちいい音が校舎に響き渡り、早くから来てた学生たちもきっと一度は空を…
「はっはっはっ!」 タッタッタ――と軽快に足を動かして走る。蒸し暑くなってきた今日この頃。けど早朝はまだ爽やかな空気でとても気持ちよく走れるとその男の子は思ってた。 彼は部活に精を出す高校生の「園田 亮」だ。高校二年で野球の強豪校に入学した彼は…