2026-01-01から1年間の記事一覧
ここでは確実に強いのはミレナパウスさんやリファーちゃんだ。でも奴らは多く……多く、とにかく多い。それももう、反則的に。この場所に納まりきらないくらいに多い。このままじゃ……かといって奴らの豊満なエネルギーはミレナパウスさんが使う魔法を減衰させ…
静かな時間が過ぎていく。遠くに聞こえる楽しそうな学生の声。昼錬でも体育会系の部活がやってるのか、それともこの寒空の中で外で運動でもしてるのか、にぎやかな声も聞こえてる。 けどそれは遠い。だからすぐ近くの小さな音が一番大きく野々野足軽の耳には…
(ほぉ……) 扉をスライドさせて空き教室を開いた野々野足軽。その視界に飛び込んできた光景に思わずそんな感想を漏らした。空き教室はもちろんだけど、いつだって稼働してる教室じゃない。そして今はもう冬だ。新年も見えてくるような……そんな年の瀬といえる…
なぜに困るのか? 焦る必要がないのなら、困る必要だってない……と思うだろう。実際男人魚ではミレナパウスさんの結界をこわすことはできないでいる。だから端っこの方に追い詰められたといってもダメージを受けるなんてことはない。 でもその視線の先……この…
「あれ? なんで?」 そんな風に田上稲が戸惑ってる。それもそうだろう。だって野々野足軽は階段をあがって田上稲の視界から外れた一瞬を利用してその場から一気にいなくなったんだから。具体的には音も立てずに超速で移動した。誰かに見られるとまずいから…
私が思ったことはリファーちゃんもミレナパウスさんも思ってたらしい。 (ミーお姉ちゃん! もうあいつ狙おう!) (でも、それだとこの大量に流れてるエネルギーが……) (それは私が空間を繋いで外にでも流すよ) (なるほど、それなら……けどそれも時間稼ぎ…
昼休みに入った直後からそうだった。最初から、野々野足軽は気づいてた。誰かが、ついてきてることに。 (いや、正体はわかってるけど……) それは田上稲。彼女がこっそりと野々野足軽の後をついてきてる。今は階段の踊り場のところからこっそりとこっちをみ…
まあなんとなくそうかも知れない……という可能性は考えてた。だってあの男人魚達は扉から出てるエネルギー。それをあの黒い何かが飲み込んでそれが限界そうだから、ポコポコと卵を生んでるわけだ。 つまりはこの男人魚達は超純度の高いエネルギーで完全に構成…
なぜなのか? そんな風に野々野足軽は考えてた。だってこんな原始的な……手段を取らなくても。普通に野々野足軽と平賀式部はラインを交換してるんだから、そっちで要件を伝えればよかった。 なのに平賀式部は野々野足軽に紙で要件を伝えてきた。それには何と…
ミレナパウスさんは魔法で男人魚たちに攻撃を繰り出す。魔法なら水中でも何ら問題なく突き進んでくれたりするからね。まあそういう魔法を選んで発動してるってのも勿論あるけど。だって流石に水中なのに火魔法を発動したりしたら……ね。それはそれは多大な魔…
「なんかここ数日、教室の空気悪いんだよな。お前、早くなんとかしろよ」 「え? あぁ……ごめん」 野々野足軽はいきなりそんな事を言われて無難なことしか言えなかった。確かにここ数日の教室の空気の悪さ……それの原因は誰もが自然と気にかけてる平賀式部とそ…
「すま……ぬ?」 「んんー!」 ぐっとサムズアップするリファーちゃん。水中だからんんー! しか言えないけど、ジェスチャーでどうにかこうにかやり取りはできるようだ。それにミレナパウスさんとは思念で意思をやり取りはできるだろう。だから意思疎通しづら…
「え? なに……」 「んんー! んんんんんんんんー!!」 何が起きたのか人魚の女王様はわかってない。まあ仕方ないよね。だってその出来事は一瞬だった。それに今まではリファーちゃんは自身が空間を移動することが多かった。でも今回は逆だったのだ。そう、…
「やりづらい……」 そんな風に野々野足軽は思ってた。あれから数日。流石にあんなことがあった後にそのままコピーに任せて学校の方を放置する……なんて事は野々野足軽には出来なかった。なのであの後、暴走した超能力者を処理……いや、助けた後に更に幾人かの暴…
「えっと……そもそもが名前を呼び捨てることが心理的な近さのパラメーターとかいうのはそんなの遅れてるんじゃないかな? 私たちは互いにリスペクトをしあってる関係なんだよね。 だからこそ、お互いを尊重するためにもお互いに敬意をもって接してるの。つま…
卵から出てきた人魚……人魚というと、それこそ目の前の女王様みたいなさ? 女性を想像するのではないだろうか? いや確かに生物である以上、男女両方がいないと、子孫とか作れないけどさ……人魚の姿絵って大体が女性じゃん? だから人魚=女性の方程式が成り立…
「嘘なんて酷い。どうしてそう思うのかな? それとも、平賀さんはそう思いたいのかな?」 バチバチバチ……と二人の視線のぶつかった間にはそんな火花が見えるようだった。遠くで見てるはずの野々野足軽だけど、なぜか一番汗かいてる。実際、今や止めた超能力…
ピッカピカの卵から腕がでてきた。一本ピーンとたった腕。どうやらあれの中にはちゃんと何かがいる……みたいが。 「単為生殖ができたんだ」 ただのエネルギーの塊が「卵」という形を取って排出されてるのだと思ってた。でもどうやらあれは紛れなく「卵」だっ…
「え? 冗談? そんな……足軽だよ?」 「っつ……」 その言葉に敏感に田上稲は反応する。一応平賀式部には感づかれないようにつくろったと思ってる田上稲だけど……僅かに眉根がぴくってなったのを平賀式部は見逃してない。 「ふーん、名前……で呼んでるんだ?」 …
黒いなにかが生み出した光の物体。それは私には卵にみえた。いや、どうみても卵ではある。形的にはね。あのスーパーとかで売られてた卵の形してるからね。魚が生み出す卵ってもっとこう……まん丸いのが普通かと思うんだけど……なんか見慣れた形してた。 しかも…
「んんー!! んんんんんんー!! んんー!」 リファーちゃんが頬に空気をためながらジタバタしてる。苦しいのか? とか思ったけどそうじゃない。彼女は警告してるのだ。訳するとこうだ。 「大変! このままじゃパーンってなっちゃうよ! バーン!!」 きっ…
「んん? んんんんん」 「んん! んんんんんんんんん!!」 水中だから彼女たちは声をだせない。けど意思疎通はしてるからこれを訳すと―― 「うん? おおきくなってるような?」 「うん! おおきくなってるよ!」 ――である。そのミレナパウスさんとリファーち…
「えっと、こんにちは平賀さん」 「?」 あっ、これ私が誰かわかってないやつだ……そんな風に一瞬で田上稲はわかった。でも次の瞬間だ。 「田上さん……なんで?」 涙の跡がある。さっきまで泣いてたんだろうってことがわかる。そして今の一瞬で平賀式部は田上…
『とりあえずこっちでも確認してみる。お前は余計な事をするなよ』 「ああ、わかったよ」 そんな風に脳内て会話した野々野足軽とそのコピー。コピーの方はいつものように、なるべく違和感がないように振る舞ってもらうしかない。そして本物の野々野足軽は…… …
『は? それって……マジ?』 「マジだよマジ。平賀さんが疑ってる」 『だから言ったじゃん。お前が俺らしくないことするからだろ』 「でも……お前の一日つまらないし」 ピキッ――である。野々野足軽はコピーに自身を否定されたようなそんな気がした。つまらない…
「やめ!? やめてくださいなのじゃ!!」 そんな風に人魚の女王様が穴に食らいついてる黒いなにかに向かって泳いでいく。そのスピードは凄くて、滑らかで素早く、ミレナパウスさんやリファーちゃんの隙間をスイッと通り過ぎてあっというまに黒いなにかの元…
「え? 平賀……さん?」 「うそ……なかした?」 ざわざわとする教室。静寂から混沌へ……平賀式部はこのクラス一いや、この学校でもてっぺんを張れるかもしれないほどの美少女だ。彼女自身がそれを言ってるわけじゃない。でも、皆がそう思ってる。 そんな美少女…
「しまっ!?」 そんな風に声をだしたミレナパウスさん。まさかあの黒い何かがあの穴に向かうなんて思ってなかったんだろう。姿を現したら絶対に自分たちを狙ってくる……と思ってた。だからミレナパウスさんはさりげなく人魚の女王様をかばうようにしてた。で…
「えっと……なんのこと?」 平賀式部のまるで黒曜石のような大きくて輝く瞳。それがまっすぐに野々野足軽のコピーを見つめる。なんの変哲もない休み時間は、いつもの喧騒とともに、10分という時間を生徒たちは目いっぱい楽しんでた。 シーンとするのは授業中…
扉の中心に穴が開いた。それを防ぎたかったのか、ミレナパウスさんたちのいる場所には激しい音が響いてる。でも既に開いちゃったわけで、そろそろ外のやつも諦めた方がいいと思う。そんなことを思ってると、ドローンが大きなエネルギーを検出した。いきなり…