直上に吹き上がる私達。マジでまんまロケットだし、きっとGとか凄いんだろうなって思ってたけど、実際、中はいつもと変わらない。そこら辺はG-01の高性能っぷりがうかがえる。深淵へと落ちてきた道を今度は吹き上がってる。遠くに見える光がどんどんと大きくなってくる。
けどこの状態……操作がむずい。油断すると、断崖にぶつかりそうになる。そこまで狭くもないんだけどね。ふらふらする。私はG-01の中で両手を目一杯広げて、まるで綱渡りするかのようにバランスを取ってる。
「おっとと……」
なんか下手すると直ぐにバランス崩して側面に突っ込みそうになる。なんでこんなにこれってバランス悪いの? 世にあるロケット……まあこの世界にロケットなんてないだろうが――それはなんでまっすぐに上に飛んで居いけるのか疑問で鳴らない。
「まさか……中で宇宙飛行士がバランスを取っている!?」
『なんですかそれ?』
アホな事を考えてるとAIが呆れた様な声を出してきた。まあ私も殆ど薄れてる記憶だ。何と言われてもわからない。なんとなくこの状況で思い出しただけだし。キーワードがあると、ちょくちょくそれに関連した事柄を思い出すんだよね。
どうなってんだ自分の頭……と思う。まあけど流石に宇宙飛行士が中でバランスとってるはないね。G-01は自分がバランスを取ってるから不安定なのかもしれない。私って絶対にかっるいし。かなり痩せ型だからね。まあそれが反映されてるわけはないけど。
でも自分のバランス感覚が良いかはわからない。断崖だけど、時々、デッカい枝とか岩が出っ張ってたりするから困る。一応G-01の機能でそういう危ないのは事前に知らせてくれる。色をつけてここに突起物や障害物があると教えてくれる。
黄色く塗られてるのは強引に突破できる。赤いのは避けた方がいいみたいな感じだ。大体木の根よりも岩とかの方が黄色いのは、伸縮性とかの問題なのだろうか? よくわからないけど、G-01が頑丈って事かもしれない。
目の前の岩をぶち破って、どんどんと近くなる光に近付いていく。けど上に近付くにつれて根が多くなってくね。落ちる時は気にもしなかったはずなんだけど……
「成長した?」
これだけ有ると、落ちる時に引っかかってくれても良いじゃんって思う。まあ落ちる時はまっすぐだったのかもしれない。流石に落ちてから今まで成長なんて……しないよね? 絶対にないと言えないけど……なにせ世界が違うと常識まで変わる。この世界はとても巨大な木々で満ちていた。あれだけの大きさに育つにはそれこそ何百……何千年という年月が必要ってのが先入観であるけど、やっぱり世界が違うとそれも違うかもしれない。ならあり得る……この短時間で成長したってのも……
「うぐぐぐぐ!!」
Gはないけど、断崖の壁を削る様に進むせいで凄い振動が伝わってくる。しかもブースター一個が剥がれた。そのせいで、バランスは崩れるわ、中でアラーム五月蠅いわ……散々だ。でも――
「よし!! 深淵からの脱出だああああああああああああああああああ!!」
私の視界に蒼天の空が広がった。