uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

転生したらロボットの中だった(ただし出ることは出来ません)運命という世界線を壊せ 58

 我らは本当に勇者様から託された力を引き出せているのだろうか? それを考えれば、答えは否だろう。我らはあのお二方にとっては弱すぎるのだ。あの方は我らの事を想ってこの力を授けてくださったのだろうが、それでも我らにとってはこの力は大きく、そして重い物になってる。今まで自分たちの体は頑丈な方だと皆が思ってただろう。だが、今はその弱さに歯がゆい。なにせ我らは勇者様のがこの程度なら大丈夫だろうとおもって授けてくれた力さえも完璧には扱えてないのだから。あの方が授けてくれた力はこんな物か……そんなわけはない!! ただ我らが引き出せてないだけ。我らが弱すぎるのが原因。
 
 だからこそ、限界を超えればもっと出せるはずじゃ!! 
 
「うぬおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
 
 我は迫って来た砂獣の背中から生える脚を切り裂く。確実にパワーが上がっておる。儂も……そして砂獣も。じゃがこの剣があれば斬れる!! 砂獣は砂を蹴って向かって来た。その手にはさっき儂が斬った奴の脚! 奴は自身の脚を武器として使う気だ。ここに来て武器まで持つか! 
 
「じゃが、そう簡単に扱えると思うな!!」
 
 砂獣は武器の扱いなど分かってない。ただ振って、突き出してくるだけ。それならば簡単じゃ。これならばまだ、本能のままに人の埒外で人の体を扱う方がよっぽどやりにくかった。砂獣の攻撃を受け流し、切り返して切る。更に上手く追いつめる様に軍の奴らが槍を向ける。じゃが、砂獣は突かれることを気にはしない。そして体を貫いた槍を固定してそのまま、体を振り回して軍の皆を振り回して吹き飛ばす。
 
「この化け物が!!」
 
 だが槍を決して放さない奴も居た。あっぱれだ。なにせ戦場で武器を手放すのは死を意味する。武器は生命だからだ。彼はその槍を更に強く握って力を込めておるようじゃった。すると槍が輝き出す。それに呼応して、他の刺さってる槍も光り出した。
 
「そんなに食いたいなら、たっぷりと味わえ!!」
 
 槍が、彼が掴んでる物だけじゃなく、回転しだした。そして奴の体を削り出す。それには流石に砂獣も驚いたのか声を荒げた。更にそこに賞金稼ぎの皆が集う。彼等も何かオーラのような出してた。皆が儂の声に応えて全てを出し切ろうとしておる。必ずここで決める。その思いに、勇者様の力が応えてくれておる!! 儂も剣を天に掲げる。すると、柄の方から次第に蒼い刀身に赤い模様が入っていく。こんな事は初めてだ。何が起こってるのか……儂等にもそれは分からない。だが……新たな何が開いておる。砂獣が仕切り直す為か、砂を大量に巻き上げる。けどそれを一閃する一人の賞金稼ぎ。それに続いて砂獣の攻撃をかいくぐって皆が奴の体を切り刻んでいく。そして槍が奴の体を砂に固定する様に動いてた。
 
 だけどそこで砂獣は自分の体を裂くことで槍を吐き出した。流石は砂獣。我らの想像の外を行く。だがそれでも槍は動く。意思を持ってるかのように宙に浮いた槍が砂獣を襲う。それを避ける為に差銃も動く。儂も奴も追った。槍と共に儂も攻撃に加わる。更に賞金稼ぎの面々が更に加わって確実にダメージを入れていく。じゃが砂獣は学習してる。槍の攻撃を自身の背中の脚を分離した物で撃ち落として行く。更に、砂のなから奴の背中に生えてる脚と同じ物が突き出て何人かの脚を止めた。
 
「これを!!」
「俺のも持って行け!!」
 
 脚が止まった皆から武器が投げられる。だが、それを持ってはスピードが落ちる。それに儂の手は二本しかない。ならどうするか? あの槍と同じだ。儂等は同じ力を授かってる。なら出来る筈。儂は全ての武器に意識を向けてる。そして何かがカチッとはまった気がした。砂獣の宙に浮いてる脚が一斉に放たれる。それを儂は得た皆の武器を操って撃ち落とす。その瞬間、鼻血が出てきた。頭が痛む。どうやらこれはかなり負担が大きいようだ。だが……それでも止まれるか!! 残った武器は三つ。儂は、一つを飛ばして奴の脚を射貫く。崩れた態勢を狙って自身の剣を振り下ろす。だがそれは奴の腕に防がれる。どうやら腕にかなりの力を集めたらしい。力の部分的な制御までできはじめてる。儂は片手に浮いてる剣を取って奴の目を切った。そして一瞬距離を取る。最後に残った武器で奴の背後に落ちてた槍を狙って操ってた武器を投げる。
 
 ガキン――と武器と武器がぶつかり合う音が鳴った。それに反応して、視界がない砂獣が砂から背中の脚を一斉に出した。だがそれはブラフだ。その間に儂は奴の背後に立っておる。そして輝く剣で儂は奴を切り刻んだ。できうる限り細かく、再生なんて出来ない程に。そして同時に胸の都市核を切り離した。