uenoutaの日記

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転生したらロボットの中だった(ただし出ることは出来ません)運命という世界線を壊せ 62

 都市核をどら息子が持つ。そして何やら言いだした。呪文か何かなのか、どら息子とは思えないなんか綺麗な声を出してる。
 
(一朝一夕にだせる様な声じゃないな)
 
 僅かだけど、力を感じる。どうやら知識とかよりもこういうことを教えていたのかも知れない。けど流石に知識とかも統治者の息子として最低限はは教えていくべきだと思うけどね。まああのバジュール・ラパンさんがそこら辺何も考えてないなんて思えないが……それならこいつはこういうことに特化してて、実はもう一人自慢できるような跡継ぎがいるのか? それならまあ納得出来る気がする。
 
 謳うような詠唱が終わると、都市核がその輝きを放ちだした。ボッと緑色の光が都市核を包み、それが揺らめく。手を離すと不思議な事に都市核は砂に落ちずに浮いている。そして都市核はゆっくりと動きだした。
 
「勝手にさせてていいのか?」
「都市核は収まるべき場所へと戻るのですよ魔王様」
 
 そうどら息子が言う。収まるべき場所……きっとこのジャルバジャルではそこに都市核はずっとあったんだろう。そう言うことなら、俺達はゆっくりと進む都市核の後を追った。辺りは砂しかない。時々建物の屋根が見えたりもするが、すでにここが街だった……なんて思えない場所だ。でも、ここに起動した都市核が戻ったら……それはもしかしたら……そんな思いが浮かぶ。そしてそれは魔王も同じようだ。あいつがちょっとワクワクしてるのが分かる。まあ都市核の内包してるエネルギーに興味があるだけかも知れないが……
 
「止まれ」
 
 先頭を歩いてた魔王が腕で皆を止める。どうやら都市核が動きを止めたらしい。すると、一際大きく都市核が灯った。そして何やらその緑色の光をまき散らしていく。それを浴びた俺達はちょっと焦った声を出す。けど別に熱くはなかった。それどころか、体をすり抜ける。そして砂の上にいくつか灯ると、それが陣を結んでいった。魔方陣に見えるが……俺には理解出来ない。この世界独自の陣なんだろう。
 
 そして一際輝き出すと、大きく地面が揺れ出した。そして徐々に砂の中にそれらは埋もれていく。それは都市核も例外ではない。
 
「いいのかあれ?」
「も……勿論です! こうなるのは分かってましたから! わーはっはっは!」
 
 どら息子が魔王に言われて笑ってる。てか強がってる? 絶対にあいつこうなるって分かってなかったよ。でも止める事も出来ないしな、強がるしかないだろう。しばらく大地の揺れは続く。そして魔方陣とかはなくなったが、この揺れが続いてるってことは多分何かが起き続けてる。すると今度は真っ青な空から光が落ちてきた。俺達を……いや、このジャルバジャルと意宇町があった範囲をその光は包み込んでる。別段熱いとかはない。けどただただ眩しい。
 
 俺達は目を開けてられない。そして次に目を開けたとき、そこは砂に埋もれた筈のジャルバジャルの街だった。