「どうやら世界の砂が下がったみたいだぞ」
ジャルバジャルが復活したことで、世界の終わりが伸びたと言う事だ。俺は自分がみたことを皆に言う。すると賞金稼ぎの一人が――
「それじゃあ、今まで滅びた街から都市核を取り戻して行けば、世界に……終わりは来ない?」
――と言った。その可能性は実際にある。だが……実際にこの世界の歴史ってどのくらいなのだろうか? 人類の歴史というか……こんな砂とちょっとの水や植物がある世界だ。そんなに生き物が豊富でもないし……どういう風に人とという存在が産まれたの。俺達の世界では人とは神によって作られたと言われていた。だから多分ここでもそこは代わりはしないと思う。神が生んで、そしてある程度増えてきたら、砂獣で摘み取ってる? 世界の終わりを促すために? それは一体何の為? 神々の戯れなのか?
「これからはこのジャルバジャルは俺が統治するからな! 早速、父上に報告をして人材を派遣して貰わねば!! ようやくだ。ようやく俺だけの国がここに! がーはっはっは!!」
そんな事をどら息子の奴が言ってる。ジャルバジャルの統治がこいつに成る。それはまあこいつが都市核を起動させた時からなんとなくそうなるんじゃないかと思ってた。どうやら都市核に登録出来る人は一人だけらしいし、登録しちゃったら、そいつがその街を治めるシステムがあるんだろう。都市核と言うのは都市を維持する為にはなくては成らなそうだし。ちょっと歩いて広場を見つけた。そこには噴水があったけど、綺麗な水が湧いていた。さっきまで砂に沈んでた街の噴水に水があるなんて……普通はおかしいと思う。だけど、皆、その水を普通に飲んでたからな。別段おかしな事ではないんだろう。
都市核は魔法を成してるのかも知れない。それこそ、俺達が個人で出来る以上の複雑な事を……まあどら息子がトップに立つジャルバジャルはとても心配だが、この世界の人たちに取ってはそれよりも街が戻って来たほうが大きい事だろう。なにせこの世界、適当な場所では暮らせなくて、絶対に街とか村とか、コミュニティが必要だ。はっきり言って村なんて物は有ってないような物。それこそ、街をつまみ出された奴らが寄り集まってるみたいな……そんな感じらしい。なら人類が安住できるのは街しかない。街以上の都市と呼べるのは一つしかないらしい。
この世界の人口が減ってるのか増えてるのかはしらないが、人々が住める場所が増えるのはありがたいはずだ。
「それでは部隊を編成して再びアズバインバカラへと――」
「ちょっと待ってください。その任務は僕がやりましょう」
俺はそう言って進んで手を上げた。なにせ部隊でちまちまと帰ってたら、二日はかかるしな。それでも早いのは分かってる。だが、俺が行けば一日も掛からない。それから更に人材を送るとなると日数が掛かるが、そこはもうどうしようもないからな。早くできる所を早くするべきだろう。
「ですが、勇者様にそんな」
「いやいやまて。勇者様が進んで言ってくださってるんだ。それを断るなんて失礼じゃないか」
何やらどら息子がニマニマとしながら俺の方をみてる。普段は俺の事絶対に見ようとしないんだよなこいつ。魔王にはへりくだって、俺の存在はある意味無視してる。だが、ここでこう言ってきたのは、厄介払いが出来るからか? まあ良いけど。行かせてくれるのなら、それでいい。
「ありがとう。砂獣の襲撃があるかもしれないから皆も気をつけて」
そんな事をいうが、そのために魔王はここに置いていくんだ。問題は無いだろう。俺は早速アズバインバカラへと速攻で帰る為に動きだす。