私は酷い正体の女性を抱えて早く戻ろうする。けどそこでちょっと立ち止まって、ここから反対側を見る。アズバインバカラからは見えなかったが、ここからなら、別の街が見えるんではないだろうかっておもった。だってここで襲われた奴らはどっかこの街からきてる筈なんだ。
「でもそれなら、アズバインバカラではなくて、元の街の方に助け求めるよね」
近くならきっとそうだと思う。だってわざわざ大ピンチの時に遠くにある街を駆け込む方に選ぶかって事だ。でも実際、一人はなんとかアズバインバカラにたどり着いた。厳密にはたどり着いてないが、まあそこはね。ある程度距離があっても、流石にアズバインバカラからは結構離れたし、次の街が見えてもおかしくない。一応、確認だけでも為ときたいんだよね。もしかしたら、あの変な砂獣に襲われるかもだし。
「あった」
見つけた街は流石に距離があってぼんやりとしか見えない。でも一応大丈夫そう? この人達を襲った砂獣が今度はあの街にいったのかと思ったけど、平和そうにみえる。多分だけど。とりあえず私は一個だけ装置を飛ばしておいた。
目標はあの街だ。装置だけでもたどり着ければ、映像が送れるしね。流石にあれだけじゃアズバインバカラに映像を届けることは出来ないから、戻ったら中継機を作らないといけないね。
「う……あ……」
何やら女性は言いたそうだが、口からはどろっとした血まで出てきた。内蔵もやられてるのかも。あんまり放っておいたら死んじゃうね。一応この世界の力を分け与えるかな。私には都市核の力があるし。それならいけるでしょ。
「なるべくちっちゃく……ちっちゃく」
G-01の最小と人が思う最小は違う。私的には小さな力でも人サイズでは大きすぎたりするから、そこら辺は全くゼロから初めて、微調整するよ。あまりにも一気に力を流したせいで、細胞が突然変異して変な所から腕や足が生えるとかいやじゃん。
いや、あるかわからないけど、この世界の人達は素でかなり回復力があるからね。だからもしかしたら豊富な力があれば、再生くらいするんじゃないだろうかって思った。まあだから一応気をつける。これ以上化け物を生み出すようなことはしない。
私は成長できる女なのだ。まあ単に、G-01がめっちゃ細かく数値化してくれてるだけだけどね。普通は感覚だよりだろうけど、G-01は細かい数値まで表してくれるから助かる。その数値ではここの人間的には2くらいあたえれば血が止まった。
めっちゃ省エネじゃん……とか思ったけど、きっとこの世界の人達からすれば、そんな事はないんだろう。でもこれで、動いても大丈夫だろう。私は砂を蹴って再びアズバインバカラへと戻る。