uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

転生したらロボットの中だった(ただし出ることはできません)運命という世界線を壊せ 208

「そんなにお強いんですか。ふふ、ローワイヤが夢中になるのも仕方ないかもしれませんね」
「そんな……夢中だなんて……」
 
 ペニーニャイアンの言葉でローワイヤさんがくねくねしてる。なんか普通にいい感じの和んだ雰囲気になってるけど、忘れてないよな? この人貴女のこと、殺そうとしてましたよ? いや、まあ警戒されてると、困るんだけどね。一応あの仮面の奴らは引き渡したが、彼奴等から情報が漏れる事はない。
 そういう縛りはつけてるし、もっとエグい、それこそ記憶を取り出す方法があったとしても、そこらへんの改竄もしてる。だから一応俺達はこの中央では狙われてる事はわかってるが、それがペニーニャイアンである……とまでは判断できてない上体だと向こうには思わせておきたい。
 その方が向こうに油断が生まれるだろうしな。だからある意味でこの演技力……そう演技力だよな? はローワイヤさんはなかなか凄い。まるでいつもの日常が戻ってきたかのような振る舞い。
 
 実際、ちょっと前はこうやって過ごしてたんだろうなってのが見える。ペニーニャイアンとピローネとそしてローワイヤさん。どの程度の頻度で会ってたかとかはよくわからないが、此の三人はとめどなく話が続いていってる。てか止まる気配がない。
 入りどころがないな。さっきまではローワイヤさんが中心で妄想の運命の出会い編を語ってたが……今はピローネが今の中央で楽しい事をいってる。主にお菓子の事だ。最近は中央ではおかしブームらしい。
 
「確かにこういうの見たことないかも?」
「そう言えばアズバインバカラではどうなの? ここと同じ様なおかしあるの〰?」
「うーん、流石にここよりもレベル高いのはないかな」
「ええーそうなんだー」
 
 それを聞いてピローネは残念そうだ。その後にこういった。
 
「美味しいお菓子がないなんて、信じられないよ。協会でお菓子がいかに素晴らしいか喧伝して、もっと別の街にも広めようよペーニャ!」
「まあそれもいいですけど……」
 
 いいんだ。まあ確かにアズバインバカラで出てくるお菓子と言ったら、木の実とかを使ったのが殆どだ。こんな砂糖をたっぷりと使って、更に宝石の様な飾り付けてるのはそうそうない。
 
 どれもこれもアズバインバカラで食べたやつよりも甘みが強くて、俺的には一つで十分なんだが……ペニーニャイアンやピローネ、更にローワイヤさんも、お茶を飲んで口の中をリセットしてるのか、さっきからよく食べてる。
 
 でもこれだけ甘いものを食べてても、誰も太ってないんだよな。庶民たちが太れないのは、それだけ食糧事情が厳しいからだ。でも彼女たちは違うだろう。それこそこうやってお菓子なんていくらでも食べられるし……ご飯だって……
 
(うん?)
 
 そこで俺は気づいた。一応手元に何もないのは失礼なのか、もてなす側(一応)のペニーニャイアンが俺の前にも同じ様なお菓子を置いてる。それを一応フォークでザクザクしてたら、砕けたお菓子が消えていくじゃないか。
 
(これって……魔法か?)
 
 まさか、このお菓子とかお茶って魔法で作り出したものなのか? どこかからから引っ張ってきたんだと思ってたが、もしかしたらそれは俺の勝手な思い込みだったのかもしれない。
 そうなると、やっばり既に攻撃は始まってる。