uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

転生したらロボットの中だった(ただし、出ることは出来ません)運命という世界線を壊せ 316

「アヴァーチェです。よろしくお願いいたします」
 
 そういいつつ、なんかアヴァーチェの奴は俺とプライムの間に体を入れ込んで立ちふさがるように立ってる。まあその警戒感は悪くない。なにせ彼は王族だ。命を狙われる理由も使われる理由も腐る程あるからな。
 そんな簡単に他人は信用してはいけない。てかそれで考えるとこれだけ頭がよくて大人びてるプライムが俺の事を簡単に信じたな……と思った。
 
「大丈夫ですよ兄上。そこまで警戒しなくても……」
「だが……この方が本当に父上たちの使いかどうか……」
「協会が私たちの待遇を変えたならこんな事はしませんし、私たちを狙う者なら、こんな回りくどい事はしないでしょう。気づかれずにこの協会の総本山である大聖堂に入れているんですからね」
「確かに……これだけ腕が立つのなら私たちを殺す事は簡単な事か……」
「ええ、それよりも姉上の所に急ぎましょう」
「そうだな、こっちだ!」
 
 アヴァーチェの案内でしばらく歩くと花があしらわれた大きな柱が左右に立ってる場所があった。光たちは何とはなしにとおったみたいだが……どうやらここから先が女子達が集められてる場所らしい。
 
「ここは勝手に入ったらいけない場所なのですか?」
「ああ、私達男性は勝手に入ることは禁止されてる」
 
 そういう会話をアヴァーチェとプライムがしてる間に俺は柱に近づいてよくみる。確かに薄い魔法の線が柱の間に通ってる。これが遮断されると警報的な知らせが伝わるか鳴るんだろう。それが女性か男性かも判断してるみたいだ。
 
 単純だけどちょっと複雑みたいな仕掛けだな。とりあえず俺は柱に触れずにノアを使ってその解析を任せた。ノアはこの世界の魔法に精通してるからこの程度の魔法的な仕掛けなら見破れるはずだ。
 
「大丈夫です。このまま通りましょう」
「いやだから――」
「大丈夫ですよ兄上。勇者殿が言うのなら信じていいです」
「――そうなのか?」
 
 俺はまだアヴァーチェには信じられてないからな……不安に思うのは仕方ない。だからまずは俺が通ることにした。別になにも起きずに俺は二本の柱の間を通った。
 
「この通りです。さあお二人も早く」
「行きましょう」
 
 プライムに引かれてアヴァーチェも柱を通った。そして通った後も柱を振り返りこういった。
 
「何もなかったのか? 脅しだったのだろうか?」
「いえ、魔法的な仕掛けがありましたよ。でもあの程度ならどうにでもなります」
「……協会の魔法に精通してるんですね……貴方はいったい……」
 
 ちょっと感心されたが、 逆に警戒心も高まった気がする。まあおかしいからな。だが異世界から来たってのも今はじっくり説明できないし、とりあえずあと一人を確保するのを優先して俺たちは進む。