「ジゼロワン殿、問題が発生しました」
そんな勇者からの通信が入って私はちょっと身構える。だってあの勇者からそんな緊急の連絡が入るなんて思ってなかったのだ。なにせ勇者は強い。この世界の奴らが束になったところで……だよ。それに勇者は元々あった弱点をこの中央に行った期間で解決してるのだ。
それは私経由でしかエネルギーを補給できないって奴だ。結構大きな弱点だったんだよね。もともとが二人とも膨大なエネルギーを蓄えることが出来るからそこまで問題でもなかったわけだけどさ……まあ二人は使うエネルギーだって膨大だ。
勿論普段はそんなことはない。でもひとたびその力を振るえば、この世界の者たちでは歯が立たない。それを実現してるのは、圧倒的なエネルギーを圧倒的に放てるからでもある。
いくらエネルギーを持ってても、うまく扱えなかったら宝の持ち腐れだ。
(まあ私とG-01はまさにそっちなんだけどね)
なにせG-01の力の総量とかよくわからない。いや、ちゃんとメーターであるよ。でもそれをざっと計算すると、魔王と勇者二人×数十、いや数百倍くらいはあるよ。だって二人にエネルギーを渡しても別にそんなに減らないからね。
勿論常にG-01はこの世界のエネルギーを取り込んで自身の力に変えてるってのもある。その効率がどんな物なのか知らないが、G-01で本当のピンチを感じたのなんてやっぱりだけど空獣との戦いくらいだもんね。
アビスの時もやばかったけど、やっぱり空獣との一戦が絶望感強かった。だって何も出来なかったし。アビスはあの数と能力がやばかったわけで、一対一なら負ける要素なんてなかったし。
でも空獣との戦いは一対一……いや、魔王と勇者も居たから実質は三対一だ。それで逃げるのやっとだったからね。アレはおかしい。でもG-01の作られた目的はあの空獣を打ち倒すこと……みたいだからね。
逃れなられない運命があるみたいだ。私としてはそんな運命はほっぽって逃げ出したい。けど、物理的に私はG-01から出ることが叶わないのだ。
なら少しでも強くなるしかない。そのためにはサンクチュアリが必要なのだ。
(てか、話が逸れてたね)
今の問題は……そう、勇者が私に連絡をするほどの問題が起ってるって事だ。私は立ち上がり、勇者一行の姿を中継器達を使って探す。とりあえず中央方面の機械達を使えば見つかるはず……とか思ってたけど、みつからない。
『どこにいるのですか?』
「それが今、自分たちは滅びた筈の街にいます」
滅びた筈の街? つまりは……
『砂の中と言うことですか?』
そういう風になっちゃうよね?