uenoutaの日記

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転生したらロボットの中だった(ただし、出ることは出来ません)運命という世界線を壊せ 368

 ジュ――
 
 そんな音が耳に届いた。そして何かが焦げるようなそんな嫌なにおい。焦げるというか、溶けるというか……何が一体溶けてるのかは簡単にわかる。それは自分自身だ。
 
 聖剣とぶつかって弾けてる奴の剣。というか腕。それが原因だ。しなやかに動き、そして鋭く刺してきたそれは、聖剣とぶつかった瞬間に無数の体を溶かす液体となって襲ってきたというわけだ。
 
 何ともうざったい仕掛けをする奴だ。確かに酸系の攻撃は厄介だ。しかもそれが自由自在に形を変えられるなんてなれば尚更だろう。てか、なるほど……何回も聖剣をあのぶよぶよした物で取込んでたのは、きっと聖剣を溶かそうとしてたんだろう。
 
(でも……)
 
 聖剣は未だに健在だ。確かにここにある。それも非常に強い輝きを放ってだ。そして忘れちゃいけないのは、自分は確かに溶けてるが、でもまだ立ってる。そして引いてもいないって事だ。
 多分だけど、この酸はとても強力なはずだ。ここまで変化して出してきた力だ。追い詰められて、追い詰められて、そして披露してきた力。それが自慢の物――で、無いわけ無い。
 
「全てを超越してるって事を見せてやるよ!」
 
 引く理由などない。なぜなら、自分の体は酸で溶かされる度に回復してる。いや、既に聖剣の光が酸をただの水へともどしてる。聖剣の光は浄化の光でもある。不浄を浄化して、正常へと戻す。ただの酸なら、実際それが正常で意味なんて無いかもしれない。
 けど、どうやらこの酸はそうじゃないみたいだ。だからこそ、既に弾かれる瞬間には強力な酸が水へとなってる。敵はきっとこのまま僕が溶けて消えると思ってるだろう。
 
 自分の体は既にベタベタになってる。でも痛みはない。酸が水になってるからだ。奴の腕自身をすり減らして酸を作ってるわけだろうが、ご苦労様だ。しかもきっと水になった時点で、奴自身の支配が解けてる。そもそもがこの酸は奴の腕自身。弾けてもきっと元に戻るんだと思う。そうしないと腕を変化させて、こんな風に使い捨てたら、すぐに腕がなくなってしまう。
 
 けどその支配から腕が解き放たれるとしたらどうだろうか? 奴は今この瞬間も、ただ腕を自分からなくしてると言うことになる。気づいたときにはもう遅いぞ。
 
 自分はぶつかってた聖剣を押し込む。光が強さを増して、一気に光を凝縮した刀身が奴の胸を貫く。それは奴の都市核を貫いたことを意味してた。
 
 都市核はこいつの力の源の筈だ。今度こそ、終わり――