聖剣は都市核を貫いた。それは確実だ。手応えも感じた。流石に都市核はドロドロに変化させることは出来なかったんじゃないだろうか?
「が……ぎゃ……」
そんな言葉にならない声が聞こえる。今、敵の体を聖剣の光が貫いてる。でかい光だ。この敵には都市核は複数あった。中央に大きな都市核。そしてその周りに小さな都市核があった。でも、自分はそれら全てを一気に貫いたはずだ。
こいつにとっては複数の都市核は保険だったんだと思う。でもその保険を全て自分は一気に砕いた。だからこそ……こう言える。
「終わりだ」
自分はその身を貫いていた聖剣を横になぐ。それによって奴の上半身が吹き飛んだ。そしてどちゃビチャっ――と奴の上半身が床を転がった。それでも自分は油断はしない。こういう輩は総じてしぶといからだ。それに、気になることも実はまだある。
それは……
「まだこの空間は維持されたままだしな」
(さすがっす! どんなときにも油断はしないってことっすね)
ノアの奴が五月蠅い。まあこいつはこいつで警戒してくれてるんだろうが……なにせここは特別な空間だ。本当なら砂の中で閉塞感が半端ないはずだが、今の風景は広大な星空。そしてそこに戦うためのステージがある。
この空間はこの目の前で上半身と下半身が別れた奴の力で作られてるはずだ。少なくとも自分はそう考えていた。だからこそ、決着がついたらこの空間は崩れ去る……そうじゃないか?
そして元の場所に戻る。
(いや、もしかしたらそれが最後の仕掛け……なのかもしれないけど)
道連れ……それもないわけじゃないかもしれない。実際出来るか出来ないかで言ったら、多分出来ると思うし。その懸念のために警戒してる節はある。だからこそ、まだ聖剣を持ってる。
自分は床に転がる上半身から目を離さないようにしてた。するとその上半身が……いや下半身もだけど、全身がどろっとした緑色になって、溶けていく。
(終わり……か?)
一応油断なく消えていくのを待ってる。力を感じることももう無い。やっぱりちゃんと都市核は壊してたということだろう。本当に終わり。それでもういいだろう。
と思ってた。するとなんか上に熱を感じた。自分はそう思って見上げる。すると視界に大きな岩の塊が見えた。いや、ただの岩じゃない。なんか妙に磨き上げられたかのように綺麗だし、というか宝石みたいな感じ。
「まさか……嘘……だろ?」
自分は思わずそうつぶやいた。それは行き成り空にある星が落ちてきたからじゃない。自分が驚いてるのはそこじゃないんだ。問題はその星が何かって事。
そう……その隕石はつまりは……超巨大な都市核で……そしてもしかしたらこの見える星全てが、全て都市核かもしれないって事だ。