「旦那!!」
続けざまに来た都市核の超巨大な隕石。それに対して、ノアの奴が頭の中で叫び声を上げる。自分に警告を発してくれてるんだろうが、わかってるから。三つ出来た時点でこうなることはわかってるから!
慌てる必要なんてない。たださっきと同じようにやればいい。そう思って、自分は聖剣から出る光の奔流を束ねて再び上から振り下ろす。
「おや……」
一発目……というかさっきはこれでサクッというか、スルッと言うか、そんな感覚で聖剣の光は超巨大な隕石へと入ってた――筈だ。けど今回は違った。入らない。
ググッ――とそれなりに力を入れてみるが、さっきまでの隕石とは硬さが違う? 全く刃が通らない。こうなると外側からぶっ壊す事も考えないといけないが……内側から壊すのと外側から壊すのはやりようが変わる。
もしかしたらさっきの攻撃を解析して、自分の攻撃に特化して繋がりを更に強くしたのかもしれない。更に言うと、この超巨大な隕石に触れた部分の力が弱まってる気がする。
今まで散々聖剣の光を向こうは受けてたわけで……聖剣の光まで解明されたのかもしれないな。自分とそして聖剣に対しての対策をちゃんとやってる。
そういう敵は本当に厄介だ。自分の力におごってくれる方がやりやすいのに、対策をちゃんとしてくる。しかもまだもう一つあるんだよな。ここでやったこの隕石に対する対策も次の奴で潰される可能性は高い。しかも……
(聖剣の力が半減されるとなると、こっちも更に出力を高めてやらないといけないわけで……それの対策が更にされるとなると……最後の超巨大な隕石はやばいかもしれない)
(ゆゆゆゆ勇者の旦那!?)
本当にノアの奴が五月蠅い。大丈夫だから。そう……これは大丈夫だ。自分は体内にある力を全身に巡らせる。皮膚が異常なほどに赤くなって人にしてはおかしな状態になる。でもしょうがない。
ここでやられるわけには行かない!! 次の手がなくなってもやられることは駄目なんだ。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
結局はパワーこそが最強。ごり押して自分は聖剣の光を超巨大な隕石へ通しこんだ。けどやっぱり半ばで止まる。いや、今度はかなり本気でやってたからこのまま真っ二つにするつもりでやってたんだけどな。
それだけ対策をされてる。しかもここからさっきと同じようにやろうと思っても出来ない。内側からこの隕石を崩壊させることが無理だ。
聖剣からわずかでも離れると何か吸収されるというか……そんな感じで内部に力をためることが出来なくなってる。まあ確かに、向こうのガッチガチの繋がりとは違うからな。こっちの方が干渉しやすいか。
なら!! 結局の所、パワーで一刀両断して、さらには素早く切り刻むことにした。