uenoutaの日記

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転生したらロボットの中だった(ただし、出ることは出来ません)運命という世界線を壊せ 388

「頭を冷やしなさい」
 
 私はそういう。まあ聖剣にその声が届いてるかは知らないけど。聖剣の声は聞こえるけどこっちの声が聞こえるのかはわかんないからね。むこうが一方的に喋ってて、こっちに応答したことないし。
 
『許さない許さない許さない許さない! アンタもアレも! 私を勇者から引き剥がそうとする奴は許さない!!』
「やっば……」
 
 私はこの段階で正真正銘引いた。だってあれはやばい。聖剣? とうみても呪われてますけど……知りたくなかったよ。聖剣の性格があんなだったなんて。
 
 てかやっぱり一方通行なのかな? 向こうの声は私には聞こえてるが、私の声聞こえてなさそうに思える。全然反応してくれないし。もしかしたら興奮してるから聞き逃してるのかもしれないけど……うーんでもあの聖剣を勇者以外で正気に戻すとか……無理じゃない。
 
 狂ったように『許さない』と発してる聖剣は、せっかく私が握ったことでその輝き取り戻してたのに、自身の負のオーラでまたまた黒くなりつつある。しかも自身の力で起き上がってるし。
 
 使い手なんていらないじゃん。しかもなんか分裂した。おいおい、なんでもありか。まあそれだけの力は聖剣にはあるとは思う。そして分裂した聖剣がそれぞれ黒くなった勇者とそれからこっちにも向かってくる。どうやら持ち手の所を握りつぶしたから、私まで敵認定されてるみたい。柄の所は修復してる。
 ヤンデレってるね。むかってくる聖剣。その大きさは私が持ってたときよりも小さくなってる。G-01サイズじゃなく、勇者が持ってたサイズになってるんだろう。だからそこまで驚異感はない。でもなんか禍々しい力というか……怨念? が見える。本当に君は聖剣なのかと言いたい。
 
「どうしたら良いの?」
 
 私は困ったからAIにそう聞いた。答えてくれるかわかんないけどね。案外AIは意地悪だし。
 
『あれも完全にはないですが、貴女の力です。勇者は貴女の一部となって、そしてその一部に聖剣は成ってるのですから。なら、頑張れば押さえつけることだって出来るでしょう』
「力で?」
『それに意味があると思うならどうぞ……』
 
 うう……意地悪め。私だって力だけで押さえたって意味ないとわかってるよ。けどあのヤンデレを精神的に押さえるって……もう逃げ出したい。
 まあ別に対話とかする必要ないか……G-01の腕を侵食してきたから、私とアレには確かに繋がりがある。さっきは驚いてそれを許したが、そのパスを通じて奴のこの力を押さえ込んで、そして冷静にさせる。それしかないよね。
 
「よし!」
 
 そうと決まればさっそく私を攻撃してきてる分裂してた聖剣を捕まえた。