uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

転生したらロボットの中だった(ただし、出ることは出来ません)運命という世界線を壊せ 392

「づう……やっぱり神経シンクロきるぅぅぅ!!」
『それをやったら鈍感になりますから止めてください』
 
 AIはこの気持ち悪さというか、単純な痛さがわからないからそんなことを言えるんだよ! さっきから少しずつだけど痛み増してるからね。多分だけど、聖剣と黒い勇者のシンクロ率というか、そういうのが高まってるんだと思う。
 オートの行動では何かだんだんと防御も避けることも間に合わなくなってきてるからね。たぶんだけど、やっぱりオートだとパターンがあるんだと思う。
 こう、向こうが動いたら、こういう動きをするはずだから、その意表を突く……というのを向こうはしてるみたい。でもこっちだってG-01の性能はこんな物じゃないはずなのだ。
 
 そこら辺にだって対応出来るだけの潜在的な能力はきっとある。けど……私のせいでそこまでの性能が発揮出来ない。だって私の頭の処理能力は既に限界で、これ以上オートの方に処理能力裂けないよ。
 
 私は頑張って攻撃をもらう度に今の聖剣の力の波長を解析してるのだ。まあだからこそ、攻撃をよくもらうようになった今は、ある意味でいいのかもしれない。
 勿論我慢出来れば……ね。最初はこっちにあるデータだけで、聖剣にアクセスしようと思ってたんだけど……どうやら今の聖剣は本当に変質しつつあるようだ。
 それにこっちのアクセスを聖剣は拒否してるからね。でもこっちの方が上位の存在な訳で、無理矢理やればそこら辺敗れると思ったんだけど……どうやら変質することでG-01から離れようとしてるみたい。
 それなら勇者だってやばいと思われるかもだけど、どうやら勇者がG-01から離れるのは向こうだけではどうしようもない……みたいな? なにせ勇者はその存在ごと、G-01に組み込まれてるからね。聖剣はそこら辺が曖昧だから、勇者自身よりも抵抗出来るみたい。
 
 勇者とG-01は直接的に支配的な関係だけど、聖剣はその間に今黒くなってる勇者が入ってるからだろう。だからなんか複雑なことに成ってる。
 実際の所、勇者が私から離れることは出来ないからあの姿と性格が問題ないと思えれば、別に何もしなくても良いような気もするけど、流石にアレは……ね。
 勇者はとてもイケメンで、落ち着きがあってとても接しやすいのが良かったのだ。それがどっちも魔王みたいな感じになったら、私のストレスが……ね。だからなるべく勇者には戻ってほしい。
 
(まあなら、最初に勇者を戻せよって話ではあるけど……)
『勇者よりも聖剣の方が変質が顕著ですからね。勇者はまだ抵抗してるでしょうが、あれはもう自分の意思で変質を始めてます。手遅れになるのは聖剣の方が早そうです』
 
 ――ということだ。なのでまずは聖剣。黒い勇者に合わせて変化を続けてる聖剣は、こっちの装甲をどうやったら効率よく削れかを試行錯誤しながらその姿を変えてるみたいでどんどんとこっちにダメージが入ってる。
 
 でもまだ、大丈夫。削られてると行っても、ちょっとしたひっかき傷が出来るくらい。まあけど、G-01の装甲を削れるくらいになってるってのがやばいと言えばやばいんだけどね。
 私が聖剣への繋がりを広げるのが先か、向こうがこっちの堅牢さを上回る鋭さを得るのが先か……なかなかに油断成らない状況だよ。