uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

転生したらロボットの中だった(ただし、出ることは出来ません)運命という世界線を壊せ 436

 何か知らんけど鬼の角が折れた。何がどうなってそうなったのかは正直不明だけど、このチャンスを見逃すような私ではない。折れた角めがけて私は突っ込む。すると鈍い腕が迫ってきた。どうやら羽虫が飛んできたからとっさに手を出した……って感じの動き。
 私は易々と躱して、空中にある角を手に取った。なかなか大きいからG-01でも片手では収まりきれないそれを、私は両腕でしっかりと受け止める。
 
「うわわ……」
 
 角を持った手が熱い。普段なら熱さなんて気にしないが、そもそも感覚が……ね。でも今はシンクロ率百パーセント。手にした食感も伝わってくる。
 それによると鬼の角はとても強い光を放ち、その温度は1300度に達してる。それは熱いはずだ。
 
「ちょっとこれってこのままじゃ不味くない?」
『今更ですね。そう思うなら手にしないでください』
 
 AIが向こう見ずな私の行動に文句を言ってくるが、だって狙ってた物がポロッと落ちたんだよ? 動かないわけには行かないじゃん。むしろあの一瞬で動き出した私を賞賛してほしいくらいだ。
 
「むむ、やっぱり角は大切みたい」
 
 私に向けて角をなくした鬼が手を向けてくる。でもその動きはやっぱり緩慢だ。どうやらかなりのエネルギーをこの角に込めてたみたい。それのせい……かはわからないが、躱すのは簡単だ。でも問題は……
 
「この角、取り込める?」
『これだけのエネルギーをいきなり取込むと最悪G-01が崩壊します』
 
 マジか……でもこのままじゃ両手も使えないんだよね。どうにかしたいところだけど……脇に抱える……にもデカすぎるか。どうしよう。そもそもが角にため込まれてるエネルギー自体が暴発しそう
 
「じゃあ少しずつ取込めばなんとかなるの?」
『そうですね、少しずつエネルギーを吸収しつつ、消費していけばどうにか安定圏までやれるかもしれません』
「よし、それでいこう。まずはこの鬼の角に残ったエネルギーを取込みつつ、G-01のパーツの改装をしましょう」
『感覚が度々変わることになりますよ?』
「それでもやるしかないじゃん!」
 
 そう……やるしかない。このままだとこの角のエネルギーが暴発して私もろとも吹っ飛びそうだもん。一気に取り込めればそれこそ一番だけど、そうなるとこの角のエネルギーが膨大すぎて今のG-01の構造では耐えられないから少しずつやるしかない。
 追ってくるのは一体の鬼だけだしそれならなんとか……
 
「げっ」
 
 振り返った私は思わずそういった。なんと砂獣が復活してる。しかもなんか微妙に形変わってないか? 私にやられたからか、改良してきてやがる。何という余計な事を……と思った。