攻撃が苛烈を極めてる。私は両手に鬼の角を持った状態だから反撃すらろくに出来ない。精々足蹴にするくらいだ。それに時折体がガクッと揺れる。
それの原因はわかってる。私……というかG-01の内部の部品が作り替えられてるときに感覚が一部シャットダウンするからそういうことが起きるんだ。
でもそれは必要なことで止めることは出来ない。むしろそれを止めたら私たちは終わってしまうだろう。それだけの状況だ。なにせ復活した砂獣達+鬼が一体が追いかけてきてるんだ。
勿論その鬼は私が持ってる角が生えてた奴だ。やっぱり角は大切みたい? 鬼なんだから角なんてまた生えるでしょ……とか思ってたけど、何かそうじゃないらしい。鬼は必死だ。
その証拠に鬼だけは連携も何もあったものじゃない。けど……それを徐々に砂獣達は念頭に入れてる。最初は砂獣達が私を先に追いかけてきた。けどそこに入るようにと言うか、割り込むように鬼がやってきてがむしゃらに腕を振り回す始めたんだ。それによって砂獣たちはドカバキと吹き飛ばされてた。
まあそれでも他の鬼達によりすぐに修復されたわけだけど。そして連携は無理だと思ったのか、逆に鬼を使うようになった。鬼の側面から攻撃してきて、危なくなったら鬼の方へと身を寄せる。
こっちにも鬼には有効な攻撃手段なんてないからね。鬼を盾にされるとどうしようもない。それに砂獣達はより賢く、そしてより強力になってた。それも確実に……
ムカデのような砂獣は前よりも何かスレンダーになってた。フォルムが洗練されというか……それに足が全部鎌だった前回とは違って脚は脚で、そしてうねうね動く体の側面から脚の数よりは劣るけど関節を挟んで長い鎌が出来てた。
可動域とか移動する効率とか諸々と考えてあるらしい。そのおかげで動きが凄く俊敏になってる。それになんか前は砲台は背中に一つだったが、今やなんかガトリングみたいな砲台か背中に八つ食らいついてるし、尻尾には更にデカい砲台があって、それはチャージして打つ方式みたいだ。威力がヤバい。
さっきかすめたらG-01の肩がえぐられたもん。今までなら砂獣の攻撃なんて精々装甲に僅かな傷がつく程度だった。でも今回の新型サソリ型砂獣バージョン2はもうそんなレベルではない。
完全にG-01を破壊できるだけの力を有してる個体だ。さらに問題なのは更にそんな進化を果たした砂獣がまだ居ると言うことだ。これはなんとしてもG-01の諸々のパワーアップにこの角のエネルギーを取込まないとヤバい。
そう確信出来るだけのピンチだった。