uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

転生したらロボットの中だった(ただし、出ることは出来ません)運命という世界線を壊せ 470

「ふぇふぇ、言い実践の機会じゃ!! 魔王殿に遅れを取るなよ小童共!!」
「「「おう! ジジイ」」」
 
 魔王が連れてきたジャル爺さん率いるジャルバジャルの精鋭達。精鋭というか、なんかジャル爺さんに憧れて軍を抜けたり賞金稼ぎから足洗ったりした奴等の寄席集まりでしかないんだが、そいつらがなんか異様に強い。てかジャル爺さんはその姿が今や爺じゃなく若返ってるんだが、皆からはジャル爺と呼ばれてるらしい。
 てかそれが元の名に全く関係ないと皆は分かってるのだろうか? ジャル爺さんも気にしてないし、良いのかもしれないが。ジャルバジャル奪還戦の時に血浄に更に俺の力を上乗せして使わせた影響でジャル爺さんは若返ってる。他の奴等はそんなこと無かったんだが……一体どういうことか? 謎だ。多分限界以上に興奮してしまったんだろう。それにこの世界の人達の体は元から異様に頑丈だった。
 それがなんか俺の力とそして血浄と変な反応をしたんだろう。元々ジャル爺さんは軍の方でも有名な人らしいから、それなりに信頼が置けるって事で、ラパンさんの息子もジャル爺さんの集めてる何かよく分からない集団を頼ってるところはある。まあけど……
 
(これを見ると頼るのは仕方ないな)
 
 賞金稼ぎとも軍とも違う彼らは腕にわかりやすいように赤い布を巻いてる。それがなかったら本当にただのごろつき……いや賞金稼ぎ達と変わらないが、それぞれがなんか異様な武器……というか砂を使ってるような。確かに砂はそこら中にこの世界にはある。だからそれを使えれば確かにいくらでも使い放題って事になるが。でもそもそも砂に攻撃力なんかはない。
 
(おかしな魔法をつかって……ます)
 
 なんかノアの奴がこの前の事でよそよそしくなってる。自分から話しかけてくるなんて事も無くなってたし……今もなんかいいのかな? どうかな? って感じが伝わってくる。別に変な野心とか持たなかったら、普通に話し相手になって貰って良いんだが……時間は必要か。なにせあんなことをしたんだ。本当ならもっと俺が怒ったりしたらこいつもけじめでもつくのかもしれないが、俺はそんな怒り狂う……なんて事はあんまり無い。自分の中で納得できればいい……それに許すことを出来る奴になりたいと思ってる。俺の油断もあったしな。
 ノアが砂獣に連なる奴だとは分かってた。それなのに完璧に信頼してた俺の落ち度でもある。でも懐に入れたらついつい甘くなってしまう。それが今回も適用されたまで。
 
「あれは魔法なのか?」
 
 なるべく俺は普通に接するように心がける。
 
(自身の血を媒介にして、別の物に影響を及ぼしてる。ああいう魔法も……あるます)
 
  うん、まだ前のように旦那! とか呼ばれてた方が良かった。けどそうか……血浄の発展系なのかあれ。確かに今の武器ではいくら血浄をまとわせても、何段階も堅さが増してる枯れ木のような砂獣には全く歯が立たなかった。かといって、今ジャル爺さんたちがやってる方法で普通の枯れ木のような砂獣に傷をつけられてるのかと言えばそうでもないが。でも応用力が高い。
 当たり前だけど、普通の武器は固定された形状でしか攻撃できないが、ジャル爺さん達の集団は血さえあれば砂を操れるのだとしたら、どんな形にだって出来る。だから上手く脚を引っかけたり、トリッキーな動きで翻弄したりしてる。彼らの役目は枯れ木のような砂獣に焦点を絞ってるみたいだ。
 一応既存の砂獣なら軍や賞金稼ぎ達でもなんとかなるからな。かなりの数を魔王が石に変えてて、戦場も落ち着いてきた。なにせ補充がないんだ。なるべく石になった砂獣を壊さないようにしてれば、このままアズバインバカラの周辺には砂獣の石像だらけに……とか想ってると、離れた所からでっかいムカデ型の砂獣の奴等がその背中の砲台を一斉に放ってきた。
 此方を狙ってるように見せかけてるみたいだけど……本当の狙いはきっと石化した砂獣を破壊することじゃないだろうか? そうして自分達で砂獣を消滅させて世界に補充させる――
 
「させるか!!」
 
 ――俺は光りの壁を出してそれらを防ぐ。