uenoutaの日記

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転生したらロボットの中だった(ただし、出ることは出来ません)運命という世界線を壊せ 486

「それで一体どうして脚を……いや、ジゼロワン殿ですから何か理由があると察しまずが」
 
 そう、理由があるのだよ。ラパンさんがそう言ってくれたところでネナンちゃんがその可愛らしい手を上げてくれる。それに気づいたラパンさんが優しい声でネナンちゃんを指名する。
 
「何か気づいたことがあるのなら、言ってごらん」
「は、はい。あの、えっとジーゼはその子……をどうにかしたいんだとおもいま……す」
「そうか、ネナンがそう言うのならそうなんだろうね」
 
 なんかめっちゃラパンさんがネナンちゃんに優しい。いや、このおっさんマジでネナンちゃんにたいして父性を発揮しまくりだからね。ラパンさんには息子は居るが、娘は居ないみたいだ。だからだろう。小さなネナンちゃんが可愛くて仕方ないみたいだ。勿論最初は責任感とかだった思う。プライベートと仕事をちゃんと分けて考えることが出来る人だしね。でもなんかいつの前に親の……父親の顔をするようになっていた。
 
 既にラパンさんの息子達も一人立ちしてるし、ラパンさんは奥さんが居ない。なんか早くに亡くしてるみたいだ。奥さんの忘れ形見の息子達と、そしてアズバインバカラという街……それらを必死に護って育ててきたから彼が駄目な人な訳がない。
 権力は十分過ぎるほどにあるんだ。なら、普通なら代わりの奥さんをめとったりしたっておかしくない。それに文句を言う人だって居ないだろう。寧ろ周りはどうにかしていい人をあてがおうとしてたんじゃないだろうか。なにせラパンさんは激務だ。心が安まる場所として女が必要だと思っても全くおかしくない。
 誰だってずっと気を張ってると疲れてしまうんだからね。でもラパンさんの場合はずっとそうだったんじゃないかな? でも最近ようやく息子達は独立しだして、アズバインバカラには勇者と魔王と私という最高戦力が来てくれた。教会と事を構えたのは頭が痛いと思うけど、それでもどうしようもないと思ってたら、そもそもが王様を受け入れて教会と対立しよう何てしないだろう。
 そもそもがこの世界は最初から詰んでるからね。行き着く先は絶望しかないって言うね。多分だけどラパンさんはそれを昔からなやんでたんじゃないだろうか。私たちが現れて、色々とこの世界は動き出した感がある。それこそネナンちゃんのことだって、言ってしまえばついに出てきたか――とかくらいの道具的な意味での保護が強かっただろう。
 
 なにせ手放せない。その内包したエネルギーはとてつもないんだからね。でもネナンちゃん的にはそこら辺はそんなに分かってない。ただ必死に皆の期待に応えようとしてる幼い女の子なのだ。良心が居なくなって、いきなり生活が変わって、それでも頑張ってる幼女を見て、感動しない奴がいるだろうか? いやいない。そうして感動しちゃんだろうね。ラパンさんはとてもいい顔でおネナンちゃんをなでなでしてた。