uenoutaの日記

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転生したらロボットの中だった(ただし、出ることは出来ません)運命という世界線を壊せ 494

 ジゼロワン殿がこの町に必要な物を生産してくれる施設を作ってる。その間に此方もやらないといけないことがある。それは石になった砂獣達の回収だ。先の戦いで沢山砂獣が石になって放置されてる。それらはこれら先、ジゼロワン殿が作ってくれる施設で活用するわけだが、点在してたら困る。だから建設予定地に運んでおく必要がある。
 それらさえジゼロワン殿に頼ろうとする声もあったが、いちばん大変なことをして貰ってるのに、全てを頼り切りにするのですか? という自分の発言でちゃんとこのアズバインバカラも動くことになった。
 
 やはり強大すぎる力というのは考え物だ。それが分かった。何せ強大な力が味方に付いてるとなると、それに全て頼ろうとしてしまう。流石にラパンさんはそんなことは無いが、その下に居る人々全員がちゃんと自身の欲を律することが出来るかというとそうではない。
 人間というのがどれだけ欲深いか、自分はそれをよく知ってる。何せ勇者として旅してる中でも、いくらでもうまく利用されてきた奴が他でもない自分だ。勇者として「困ってる」といわれると見捨てることが出来なかった。けど、きっと「勇者様」と言われたり頼られたりすることに酔ってた所もきっとあったんだと思う。
 ジゼロワン殿はそんなことはなさそうである。ただ必要な事をやって、それ以上には頼らせないようにしてる。だからこそ、何でも押しつけるようなことは駄目だ。確かに自分達は今アズバインバカラを拠点にしてるが、それを止めることはそれほど難しくはない。多分、ここの偉い奴等は過度な要求をしても今や自分達も教会と対立する陣営だと思われてる、だからこそ他に行く所なんてないと思ってる節がある。
 つまりは自分達がアズバインバカラを捨てられない……と思ってると言うことだ。だから一部の奴等は自分達に過度な要求をしても大丈夫と高を括ってるんだろう。それにジゼロワン殿はここの人達には自分と魔王の所有物……と言ってある。便利に使える機械人形という感じだ。
 
(それを拡大解釈してるよな……)
 
 自分や魔王が便利に使えるからと行って、どうして他人の奴らまで便利に使っていい……とか思うんだろうか? 自分の物は自分の物、他人の物も自分の物――とか思ってるのか? 往々にして偉い奴等にはその傾向があるように思う。自分の世界に居た偉い奴もそういう奴はいた。自分の所の領民の物は自分の物……とか言う奴等だ。
 流石にこの世界は厳しい世界だし、ラパンさんがとても出来た人だから腐りきってる奴はいないけどね。腐りきってたら結局全てをジゼロワン殿へと丸投げしようって意見が大半になってただろう。
 
 まあとりあえずはアズバインバカラの外に点在してる砂獣は新たに編成される回収班に任せておけば良いだろう。いきなり石化が解除されて暴れ出す……何てことが無いとは言えないが、直近でジゼロワン殿が分析したところによればアレはほぼ死んでるみたいだからな。危険はほぼ無いらしい。ならそっちは任せて良い。
 
 自分のやる事は他にもある。それはジゼロワン殿が捕まえた蜘蛛人間だ。厳密に言うと、蜘蛛人間に尋問するときに付き合うのが自分の役目だ。何せ魔法を使えてピローネの様に体を砂獣に変質させた存在だ。危険すぎる。この場所では、自分とジゼロワン殿しか対処できないだろうから、自分が付き添うことになってる。
 蜘蛛人間は教会の奥の方のことも知ってそうらしい……なら教会の内部を知るいい情報源だ。けど……何度観てもその姿は気持ち悪い。