uenoutaの日記

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転生したらロボットの中だった(ただし、出ることは出来ません)運命という世界線を壊せ 513

 こっちも老子を……引いては伝道師をもっと調べた方が良いかもしれない。相手を知り己を知れば百戦あやうからず……とかいう言葉があったようななかったような。まあ私が魔王と勇者を引き連れて、中央へと一気に攻め入れば実際には終わる話ではある。多分どうにかなるような気はするし。けどそれは……ね。
 
 それは過剰な介入だと思う。私たちのような部外者がいきなりその力で世界の問題を完結する……そういう存在をいるのかもしれないし、そんなことがあったって良いのかもしれない。けど、そんなことをすれば、その後の責任とか全部私たちにきそうじゃん。流石にそこまで背負う気にはなれない。
 知り合った手前、アズバインバカラへは協力してるが、出来れば直接介入なんてのはしたくはない。世界の明日はその世界の人達が選ぶべきだと思うんだよね。その結果がどうあれ、そうじゃないと納得なんて出来ないと思うし。
 
 それを言うには流石にアズバインバカラへと肩入れしすぎなのかもしれない。でもだからって中立に成り得るほどに、協会のこと好きじゃないから仕方ない。あいつら最低じゃん。流石に同類になるのはちょっと……
 
「うーん困った」
(何がですか?)
 
 私がうなってると、AIがその無機質な声でそう言ってくる。いや、けどこいつは絶対に分かってる。何せ現状を私よりも正確に把握してるのはこいつだからね。私が施設を作って、そして勇者に説明を任せて更に数日……なんか私の周囲にはどんどんと貢ぎ物とそして拝みに来る人が増えてる。
 
 既に施設は稼働し始めてて、その実感が最近になってようやく市民の人達にも伝わってきたのかもしれない。まあこの世界、常に物資不足してるからね。砂獣は脅威で、討伐は必須だけど、その脅威から得られる恩恵をどう使うかってのはやっぱり防衛とか、武器とか……そして上の立場の人達の家の補修とか……そういうのに回るから、市民の家ってのは常にボロかったんだよね。補修したいけど、その材料が下に回ってくるなんて事はそうそうない。
 
 今回は沢山の砂獣が狩れた訳だけど、それでも普通ならその恩恵は精々宴会として消費するくらいだっただろう。けど一つの砂獣から大量の物資が出てくるようになったのだ。それは色々なところへと配分されてる。それをどうするか、どう使うか……ラパンさん達は日々頭を悩ませてる。何せこれまでここまでの物質を得たことがないからね。
 嬉しい悲鳴という奴だろう。そしてこれに繋がるって言うね。いや~皆感謝をしてくれてるから、下手に動けないんだよね。私も悪い気はしない……悪い気はしないが、困った困った……なのだ。