「はい? え? ちょっと待ってよ。え?」
『なに、変な声ばっかり出してるんですか? アホみたいですよ』
「うっさいよ!」
誰のせいだと思ってるんだよ!! いやいやいや、それもこれも全部アンタの性だからね。だってだって、今から作ろうとしてる新たな体。言うなれば、本体がこの体だとしたら、子機みたいな……さ。それを作って、何が出来るかってわくわくしてたのは、これで私ももっと他の人達に触れられて、そして私という存在を認識してもらえるかなって……そう思ってたんですけど?
この場所はとても快適で、不自由なんて物はない。けどさ……皆私という存在は知らないんだよ。魔王や勇者でさえ、G-01という存在は認識してても、その奥にある『私』という存在は知らない。
それを思うと、ふと……そう時々、とても寂しく思うんだよ。けど本当の私……という存在はなんか教えてはいけない……みたいなタブー的なトップシークレットになってるわけだけど、子機で言い訳して誰かとふれあうくらいは良いよね……って思ってたのに!? やっぱり人は人恋しくなっちゃうんだよ。
ポニ子は一応私のこの存在を知ってる数少ない奴だけど、あいつはね……なんかペットみたいな感覚だから、ポニ子に存在認識されててもそこまでみたされないって言うか? あんまりコミュニケーションとれないしね。
だからこそ……だからこそこの子機を作って皆とふれあいたいって言う願望が私には有ったんだよ。それをなにぶち壊してにしてくれてるんだよ。
「そもそもなんでアンタが入ろうとしてるの? 私で良いじゃん」
ストレートに私はそう言うよ。だってこればっかりは譲れなく無い? 私はもっと自由が欲しい。
『それは駄目です」
「なんで!?」
『それは貴方がプチュオクミだからです』
またそれか。ならもっとそのプチュオクミとかいうのを教えて欲しい。それってあんまり情報無いんだよね。いや、はっきり言ってここまでG-01のマニュアルとかを読み込んで思うのは、そこらへんは実は隠されてる――って事だよ。
だってG-01の事とか、詳しくめっちゃ伝えようとしてくるけど、プチュオクミとかいうのはほぼ何も無い。情報量が極端に違う。これはきっとG-01をつくって、そして私を作ったと思われる人達が私という存在に真実とかを伝えたくない――というのが見えてくるよね。
だって別になんでも無いのなら、さっさとこう言う存在だって教えてくれれば良い。それがないって事は……そしてここまで隠そうとするって事は、きっとプチュオクミって存在はとても言えないような事をして作ってるんだろう。
ほんと私って何なんだろうね。ただのG-01を動かすためだけの存在なの?