uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

転生したらロボットの中だった(ただし、出ることは出来ません)運命という世界線を壊せ 545

「私が遠隔で新しい体を操作したら良いじゃん」

『それは無理ですね。貴方が自分で生み出した機械達の視界を共有するのは自由ですが、貴方という意識はG-01にロックされています』

「ロックされてるの?」

『ええ。忘れないでください。貴方が生きてられるのはこの中だけなのです』

「だから、別に外に出るわけじゃないじゃん。私の体はここにいて、新しく生み出す体を遠隔操作するんだよ。それも出来ないって言うの?」

 納得できないよ。遠隔操作はできるでしょ。それだけの性能は余裕であるだろうしさ、そもそもG-01の指とか遠隔で操作してたよ。あれは結局G-01だから良かったって言うの? 

『貴方の意識と存在はG-01に接続されています。そしてそれを解除する事は許されてません』

「むむむ……」

 そう言われると、なんか新しい体を作る意欲がなくなってくる。だってこれって……つまりはAIが自分のために用意してたって事だよね? なにせAIはそれを知ってたんだからさ。むむむ……私を上手く使おうとしてない? 

「それなら、やっぱり私自身が行けば――」

 G-01を動かそうとすると、その周りの供物が子供達の方へとなだれ込みそうだ。まあだからこそ、G-01本体が動かないでいいように分体をつくりだそうって事だったんだよね。でもそれが私用では無くて、AI用となると話は変わってくる。でも私の事を慕ってる子供達を犠牲にするなんて、そんな血も涙も無いような事は流石にできない。この供物を使って分体を作ればG-01自身が移動できるようになるけどさ……その場合は分体の意味がね。

『いけそうですか?』

ぐぬぬぬ……」

 この私のいる場所は至れり尽くせりでは有るけど……小さな小さな楽園……というよりも牢獄じゃん! 私は下半身が浸かってる液体をバシャバシャと叩いてやる。苛ついてるからね。そしてある程度それをしたらその液体で顔をバシャンとして頭冷やした。

「わかった。アンタの体は作ってあげる。けど、魔王のところへは私が行く。あんたはお留守番でもしてればいいわ!」

『了解しました』

 くっ、嫌味の一つも言わないとは……自分が得してるってわかってやがる!! 悔しい!! けどしょうが無い。それにAIと分離できるのなら、煩わしい小言も言われずに済むかもしれないし、なんかやっぱりAIは私の味方と言うよりも、私を作った者達の味方って気がする。

 だからもしもの時の為にもG-01から分離してた方がある意味良いのかな? みたいな? 色々とアドバイスとか補助の機能が無くなるのはきびしいけど……そこは勉強である。私が、私の為の私を一番に優先してくれるAIを作れば良いのだ! 

 こんな奴はお払い箱である。

(くっくっく今に見てろ)

 私はそんなことを思いながら、新たな体を創造し出す。