「砂獣の進行を遅らせるとは一体、具体的はどうやるのですか?」
勇者がこっちを観ながらそう言ってくる。その言葉には存外に「自分がやるんですか?」的なニュアンスが……あるかどうかはしらない。てか勇者なら自分がどうにか出来るのなら、したいと思っててもおかしくないと思うけどね。
勇者は誰か助けるのとか大好きだからね。そこはさすが勇者って思う。まあけど安心してほしい。別に勇者にこれ以上働いてほしいわけじゃない。
とりあえず、要は済んだしもう帰ってもらってもいいんだが……流石にそれはひどいかな? 普通ならこのサーザインシャインインラへとくるのって結構な日数が必要だ。アズバインバカラから速くても3日とか言ったくらいにはね。
それを私達なら一日もかからずに走破できるわけだけど、私はともかく勇者は結構無理したんじゃないんだろうか? でも勇者もこの世界でスペック上がってるからそうでもないかもしれないけど。
『簡単なことです。教会があの砂獣を操ってるのなら、その操ってる術者を見つけてその合図を出させないようにすればいいでしょう!』
私はどやな声でそう言ってあげた。けどなんか二人の反応が悪いな。一回雲が太陽を隠して、再び陽の光が差してくるまで、なんか二人共無言だった。
「それでその教会の誰かは特定できてるのですか?」
『それはこれからです』
「えーと、それをやってるやつがこのサーザインシャインインラに居るというか確証は?」
『それもこれからですね』
「「ふうー」」
二人は私の言葉を聞いて、同時に息を吐いた。それもなんかため息っぽかった。いつの間にそんな生き合うほどに仲が良くなったのか……そして勇者にこう言われた。
「それは何も具体的ではありません」
ズバッとそう言われた。むむむ、確かに、ちょっとだけそうかもしれないね。そうかもしれないが……私は反論する。
『大丈夫です。きっとなんとかなりますよ』
すると二人は一瞬視線を交差させて再びため息をついた。一体何なのほんと。