とりあえず考えるよりも行動である。私は既に、教会へと続くアイテムをゲットしてるから、それを使って、教会に圧力をかけるのだ。
『これを使います』
そう言って私が見せたのは、勿論だけどイシュリ君の中に入ってたサソリである。これはきっと教会の刺客だ。だってこんな特殊個体が自然発生するのなら、この世界当に滅んでると思う。確かに普通の砂獣に比べて戦闘力はそうでもないが……人を操れるってね……相当やばいよ。でもこのサソリ自体に高度な知性があるわけじゃないみたいだよね。
となると……やっぱりこいつでイシュリ君にこのサーザインシャインインラの結界を破壊させた張本人――裏で糸を引くやつが居るはずである。
「それは息子の頭に入ってた……」
『ええ、教会が新たに作ったであろう砂獣ですね』
「なるほど、それで繋がりを探るのですね」
私と勇者はそこそこわかり合ってるような会話をしてるが、おじさんはよくわかってない。まあしょうがないね。なにせ魔法的な技術ってこの世界は教会が独占してる。
「魔法には術者と生み出されたものの間には魔力的なつながりがあるんです。それは目に見えるものではないですが、同じように魔法を使えるものならそれをたどることが出来ます」
「なるほど……それを使えば教会が黒幕だと証明できるのか! 息子の無実が証明できる!」
そう言ってなにやら震えてるが……そこで冷静な言葉を勇者が言ってくるれる。
「ここに私の言葉を信じるような人は居るんでしょうか? 誰にもその繋がりを見ることも感じることもきっと出来ません。外部の私がおかしなことを言って教会を陥れようとしてる――としか判断されないのでは?」
「それは……そうですね。ちなみに、それを他者にも共有することは?」
その言葉に勇者は首を振るう。流石に無理だね。ちらっと勇者はこっちを見るけど、私だって無理だね。てかそこまで魔法的なことってしらない。一応G-01のマニュアル内にあることは勉強してるけど……私自身が魔法とか使えるわけじゃない。
一応体内の魔力? 的なものは感じるけどね。私自身は魔法とか使ったことない。だからね……私にはそういうことは無理。
「上の奴等はきっと私の言うことなど、信じることはしないでしょう」
「もしもここに犯人がいるのなら、そいつを突き出すくらいはしましょう」
「ありがとうございます!」
なんか目の端に涙をためて頭を下げるおじさん。なんかさ……さっきから思ってたけど、私への態度と勇者への態度……違くない? 私だってイシュリ君を救出したんですけど? 確かに直接的には勇者がイシュリ君を救っただろう。
けど私も頑張ったんですけど? まあ実際、私はアズバインバカラでお気楽な感じなんだけどね。実際私のここでの設定は勇者や魔王の一ロボットだったわけだし、文句は言うまいよ。とりあえずは私はずっとこのサソリ自体を調べてたのだ。
そしてそのデータを使ってサーザインシャインインラとそして更に各地にあるドローンたちにサーチさせてる。何かがきっと引っかかると思う。私自身は魔法的な何かが使えるわけじゃないが、このG-01のテクノロジーを介せば魔法的な探索だって出来るのだ。
魔法を科学に落とし込んでるの感じでね。