彼女の名前は『ヌベリア』らしい。小さい、それこそ十歳くらいから実はちゃんとここサーザインシャインインラの宮殿に勤めてた働き者の女の子だって。まあつまりはその時からその体を……ってことなんだけどね。
この子を連れてきたのは、宮殿でもその……ね。幼い子供が好きだと評判のやつらしい。幼い子供が好きということで、なんと性別はどうでもいいらしい。小さくて、かわいい男の子、女の子を連れてくるらしい。
なんという変態。でもどうやらその連れてくる上層部の変態はそれこそ本当に子供にしか興味がないから、その子どもたちが成長すると、自分の手から離すらしい。それで宮殿からいなくなるものもいれば、他の人間の所有物になる者も居るのだとか。
そんな理不尽に連れられてきて、そして体を好きなようになぶられても、宮殿づとめで居たいとここの人たちは思うらしい。彼女、ヌベリアさんも変態から開放されても、自分を他の奴等に売り込んで宮殿に残ることを選択したみたいだ。
それからはある一人の人に仕えてたらしい。しかもこのサーザインシャインインラの上層部の中でも特に上の方の人だ。でもその人は最近死んでる。これは……なんかありそうである。私達がこの世界にきて、少ししたくらいだね。
その人が死んでからは、ヌベリアさんは色んなおえらいさんの所を点々としてたらしい。寝るところは、いつも違う男の寝床だった……みたいなさ。私からみるとまるで性を集めてる……かのように思えるが……普通に考えたら宮殿に居るために色んな男を虜にしていったんだと思うかも? そして実際、それができてたんじゃないかな? だから彼女は今も宮殿にいたわけで……
(この人、美人だもんね)
今の年齢いくつくらいなんだろうか? 既に二十歳を超えてそうだけど、子供ではなくなってるが、その色気は男性を虜にするというのも納得できる。それだけ美人なんだよね。
「その亡くなった上層部の人は、死因とかは?」
「心臓発作です。もともと持病がありましたし、何も不審なところなんてなかったと思います」
「そうですか……」
そう言って勇者はこっちを見る。何を言いたいかはわかる。だって相手が教会なら、なんだって出来る。だって中央と他の街は明らかに技術水準が違う。そして魔法の有無。教会には疑わずに殺す手段なんていっぱいありそう。
「まあ強いて言うなら、その時彼女も気を失っていたことが不審だったくらい……」
そうぽつりとおじさんはつぶやく。彼女、ヌベリアさんもその時、気を失っていた?
『その人の死は誰が見つけたんですか? 彼女が気絶してなかったら早く見つけれたとかありますか?』
「その人は彼女以外には誰もつけてなかった。いや、それまでは色々と遊んでる人だったんだがな。だが彼女をとても気に入ってほかは捨てたようだ。だから、彼女まで気絶してたから、その発見は3日くらいかかったな」
『3日?』
「それは……ながくないですか?」
私も勇者も同じこと思ったよ。いや、精々一日くらいかと……なんで三日もかかるのよ? ちょっと理解できないよ!!