uenoutaの日記

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転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 651

 決断して、そして動き出してからは早いものだ。けどサーザインシャインインラを囲んでる砂獣はそれこそ逃げ道一つなく包囲してる。そして既にサーザインシャインインラの中へと入り込んでしまってる。もうちょっと持つかもとか思ったが……それはどうやら期待外れだったようだ。サーザインシャインインラの軍隊は一瞬で……いやもっと言えば、防衛線を貼る前にすでに崩壊してた。

 どういうことかと思うかもしれないが、それが事実だ。彼等はどうやら軍隊という名を冠してるだけのただの一般人の集まりだったのかもしれない。そういう訳で、戦線というものはなく、既に砂獣が街を蹂躙してる。なんとか今は外に出てた軍の奴等だけの被害で済んでるのは波がはじまっても侵攻自体は遅れてたからだろう。

 あの金色の鬼を待ってたのかどうなのかは分からないが、アレが出てきてから砂獣達は侵攻を始めたのは確かで、あれが特別に強力というのもわかる。それだけ膨大な量の力を宿してる。だがあの鬼自体は侵攻はしてきてない。まずは砂獣達が……と言うつもりなのかもしれないが、ハッキリ言って、周囲の砂獣達で決着がつくくらいに、ここの軍は軍の体をなしてない。

 もう既に軍は崩壊してるし、あと残ってるのはまともな隊長が率いてるところだけだ。だがあそこもこのままでは時間の問題だろう。なにせ一部隊と、町を飲み込むほどの砂獣の大群……幾らこの世界の人達が屈強だと言っても、それは魔法の補助とかには敵わない。

 頑強で、スタミナも自分の世界の人たちよりも確かにあるが……それは著しく違うって訳じゃない。誰しもが、まともに鍛えてる程度って感じ。だからスタミナは当然有限だし、さすがにずっと動き続けることなんて出来ない。

 

「大丈夫か?」

 

 既に橋を渡っていくつかの砂獣は中央の宮殿までたどり着いてる。けど、まずは周囲で守るべき所がある。それに宮殿は流石に偉い奴等が集まってるだけあって、秘密兵器的な物があるみたいだ。あの橋に設置してた砲台の様なそれだ。なにかいくつかの宮殿から針? みたいなのが出てきて、それが雷撃みたいなのを展開して、砂獣を近寄らせないようにしてる。

 アレなら今の砂獣たちを相手にするのなら、そこそこもつだろう。けどこっちがわ……市街側で避難してる教会の方は無防備だ。一応教会という施設なんだから、なにかあってもいいと、それこそ宮殿のような秘密兵器があってもいいとさえ思うが、どうやらそんなのはまったくないみたいだ。貧乏人は不要ということかもしれない。

 とりあえずここはもうだめだろう。今助けられる人たちはなんとか守ることが出来た。それならば彼等を連れて、避難先の協会に行くべきだろう。そこにはまだここでまともな部隊が戦ってる。そこに合流して、残りの戦力を集結してるところだ。自分はそのために一人で生き残りを助けたところだ。

 

「それじゃあ、そこまで行ければ助かるってことですか!?」

「いや、できれば君達にもまだ戦ってもらいたいんだけど……」

「我々……にも……」

 

 そういう生き残りの彼等は真っ青になってる。それ観て思った。彼等はもうだめだろう。戦う意志が……気力がない。再び剣を取ったとしても、砂獣を前にするときっと体が震えだす。なにせ……心がもう負けている。わからせられてると言ってもいい。戦うときに一番何が大事か……それは勿論強さとか技術とかあるかもしれないが、本当に一番大切なのは立ち向かうべき心だ。

 それがないと、どんな力だって技術だって活かすことは出来ない。そしてそんなものがなくても立ち向かう奴は、そもそもが気持ちだけで行ってるるわけで、そいつ等はきっと死を意識なんてしてないだろう。

 でも彼等はもう違う。死を感じて……死を意識せざる得ないようになってしまってる。時間をかければ、その症状は改善する可能性はある。でも今は無理だ。今日という日でそのトラウマを克服なんて無茶がすぎる。

 

「すみません。無茶を言って。後は我々が対処します。あなた達はせめて、避難してる人たちを守ってください」

 そういうしか出来ない。