台座に刺さった石となった武器。それらを開放するすべを私は発見した。まあ私というか、G-01なんだけど。ヌメリアさんが唾液を付与した一つの武器がその過程を示してくれたからね。一つのサンプルがあれば、それをハッキングによって強制的に再現すれば、他の奴も同じようにこの石の封印を解ける……筈だ。
G-01のエネルギーで強制的に回路を開放して、石の封印を解く。それは可能だと判断した。G-01が。私ではない。私にはそんな頭脳はないからね。とりあえずさっさとここの武器を開放して地上に持っていこう。そしてとりあえず軍に、そして戦えそうな人に渡していく。この武器がどれだけ使えるものなのか……それはよくわかんない。
けど教会が切り札として渡してるほどだ。もしかしたら砂獣に特攻的な力をもってる武器かもしれない。それなら一般人も使えるかも。この世界の一般人はそこそこデフォルトで体が強いし、武器を使えるくらいの筋力は標準で持ってると思う。
だからもしも戦いたいと言ってくれる人がいたら……いいよね。
「ジゼロワン様……これは……」
『待ってください! 触れないで』
私はヌメリアさんの様子がおかしいことに気づいた。私は語気を強くそう言ったが、なんかうつろになってるヌメリアさんは自身が唾を付けて封印が解け掛けてる武器へと手を伸ばしてる。私の声も途中までは聞こえてたようだけど、途中から完全にその目から光が失われて勝手に体が動いてるような……
「危ない危ない」
『貴方、裏ヌメリアさん?』
「そうね」
どうやらヌメリアさんのもう一つの人格、裏ヌメリアさんが出てきてその体を止めたらしい。たしかにあのままだと意思を奪われて封印されてる武器に誘導されてた。実は唾液というか、体液だけでは完全に封印は解けてない。きっと体液を与えて、武器にふれることでなにかか繋がって封印が解けるんだろう。
でもあの武器は普通よりも強力で、そして魔法の武器。さっきのヌメリアさんの行動的になにかおかしい。罠がありそう。てか教会が切り札と行って渡してきたものだ。よく考えたら、簡単に信用できるものなのか……考えると簡単に結論は出る。
簡単に信用出来るような奴らじゃないってね。私はもっと深く術式を解析するよ。それと同時に裏ヌメリアさんに聞く。
『これのことわかる?』
「わかるわ。これ契約よ。それも強制的な血の契約。血浄よりも強力な……呪いと呼べる代物。ここの武器全部、これを持ったものを食らうわよ」
そんな事を裏ヌメリアさんは断言した。どうやら教会は切り札と言って呪いの武器をよこしてたらしい。実にらしいと思ったね。