（うげ……）
隊長さんを皆の元へと戻すために進化体共を結界に閉じ込めたわけなんだけど……数分であっという間に破られた。そこまで拙い結界だっただろうか？ 不思議だ。たしかに私はまだまだ魔法は苦手だよ。そんな高度な事は出来ない。G-01の機能として結界を作れるアイテムを用意してればそれを使ったんだけどね。
でもそんなのは用意してなかったからね。これからドローンの一部には電撃だけじゃなく、そういう防衛部隊を作った方が良いかもしれない。ドローンの中から更にビットを発射してそいつらが角を担当して面を構成して対象を閉じ込めるって感じの結界だ。
確か作り方はG-01の中にあった気がする。4つビットがあれば一応対象を囲んで結界をなすことは出来るからお手軽では？ まあ今はそんな場合じゃない。眼の前のことに集中しよう。
出てきた進化体共はだいたい二足歩行になってるが、そうじゃないのもいる。その中にはなんか猫みたいな体型をしてるのがいるよ。猫というか豹というか……まあけどなんか元の砂獣としての外殻をまとってるから、まるで鎧をまとった豹って感じだけどね。そいつは明らかに早い。とりあえず、隊長さんに追いつかせるわけにはいかない。追いついてもいいけど、それは皆と合流してからが望ましい。
だからそのためにも僅かでも足止めをしないといけない。なのでドローン軍団を使って特攻をしかけるよ。どうせいくらでも生み出せる奴らである。なら惜しくも無い。電撃を纏って突貫だ！！
（でええあああああああああああああ！！）
まあこれでも傷一つ付けられるなんて思ってない。そもそもが近づけもしないし……でもそれでもいい。ある程度近くまでいったら、爆発させて帯電させていくのだ。
奴らは気づいてないだろうが、ただドローンは爆発してるわけじゃない。爆発で一定の範囲に入ってたら、ドローンが放った電気をその身に受けてるのだ。それをある程度溜めていけば……
案の定、無数のドローンアタックで奴らはダメージなんてのは受けてないが、帯電した電気が奴らの体の動きをとめてくれた。パリパリとその体から青白い電気が出てる。まあけどそれはそのうち地面へと流れていくけどね。でも十分だ。
（むむ……まじか）
普通は体に蓄えられた電気のせいで、体を動かす命令形等がグチャグチャになって動けなくなるはずなんだが、それでも砂獣共は無理矢理動いてる。まあけど、さっきまでの機敏さはない。あれでは隊長さんには追いつけないし問題はない。
とりあえず後は残ったドローンで牽制射撃でもやっておこう。勿論奴らの硬い外殻には全くもって意味をなさないが、少しでも奴らのヘイトをドローンの方へと持っていくのも大切でしょう。それに、データも欲しいしね。この進化体を解析することで、戦闘を有利に進める事ができるだろうし、教会が仕組んだことなら、奴らの狙いだって無視はできないからね。
