「よし!」
私はダウンロードが完了したのをみて、一斉にドローンたちを解散させた。窓の外に出て、部屋の中の様子を高みの見物である。すると一斉に既に死体になってたこの街サーザインシャインインラのトップの爺さんの死体に群がって、その体を貪っていく。きっと贅の極みとか謳歌してた爺さんだっただろうに、最後は悲惨なものだね。化け物に体を貪り食われていくんだから。
まあ全く同情はない。なにせこいつらがまともな防衛とか軍とか用意してなかったから、サーザインシャインインラはこんなにもお粗末な有様なのだ。教会を信じてたんだろうが……自分達の心のうちを見てたら、なぜに教会を信じれるのかと思うのか……
「本当に偉い奴ってわかんないよね」
私はそう呟くよ。だって大体、こいつら自体がクソじゃん。そしてその自覚があるんじゃないかって思ってたんだけど、サーザインシャインインラの上層部を見てると、それがないのか? って思えてきた。こいつらまさか、自分がクソだって思ってない? だから教会の事も信じ切ってたのかな?
普通さ、悪いことをしてる奴らってその自覚があるものじゃん。だからこそ、表面上は笑顔を作っても、その心では全く逆のことを思ってる……とか考えてる……とかが普通で当たり前。詐欺師は自分が詐欺られることだって想定してる……みたいなさ。
でもどうやらこいつらは違った。自分達が悪いことをしてるっていう自覚がそもそもなかったから、危機を感じる頭もなかったらしい。偉くなるにつれて、落ちる怖さ? 的なものを感じるものだと思うんだけど……
「そっか、サーザインシャインインラの連中は大体親から子に受け継がれてたから、今の代の奴らはきっと最初から偉くて、その地位が脅かされる……なんて考えがなかったのかも」
だからこそ好き勝手にやってたし、自分達を支えてくれる教会のことを当たり前だと信じて最後まで疑わなかったと言うことだね。本当におめでたい。てかこれも、もしかしたら教会の思惑だったんでは? なにせサーザインシャインインラは地上にある街にとっては必要不可欠な存在だ。
そこを自分達の傀儡にすることで、まとめて地上の街々を支配できる。教会にとってはとても都合のいい存在がサーザインシャインインラだったんだ。実際は既に私たちはサーザインシャインインラがなくても水を確保できるわけだが、私たちの街以外にも街はまだあるわけで、そして残りの街を全て味方に引き入れるためにも、サーザインシャインインラを救ったという実績は大義名分に箔をつけることになるだろう。
だからこそ、ちゃんとアズバインバカラからも兵を送ってるわけだ。
「さてと……馬鹿たちはたくさん死んだし、おじさんたちは平気かな?」
私は映像を切り替える。するとどうやらおじさんたちはドローンたちに捕まって湖を空を飛んでこえてる最中だった。おじさんたちと彼についてきてたちゃんと使える人たちは数十人ってところだね。彼らはなんか感慨深毛に崩壊していく宮殿を見てる。私は何も感じないが……彼らにとってはね。まあ散々好き勝手なことをやってきた上層部の奴らの墓標になったんだから、いいんじゃないかな? あんなクソな上層部の連中と決別できたからよかったと思ってもらおう。