uenoutaの日記

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転生したらロボットの中だった(ただし、出ることは出来ません)運命という世界線を壊せ 706

 とりあえずは勇者が黄金の鬼へと向かっていってくれたおかげで時間稼ぎはできるだろう。でも倒せるとまでは思ってない。下手したら勇者もやられてしまう。だから私も出ることを考えないとね。いや、鬼が宵から出てきた時点でそれは考えてたけどね。流石に鬼は世界の外の存在だ。

 この世界の人たちではどうしようもない存在。あいつが出張ってくるのは反則だ。私達がこの世界の人々に肩入れして砂獣を倒すような事と同じだ。いや、それよりも理不尽だろう。

 だって砂獣はまだ私たちを傷つけることはできる。都市核をたくさん内包させた砂獣なら倒せる可能性だってある。でもこの世界の人々に鬼を倒すことは可能だろうか? はっきり言って不可能だ。どう逆立ちしたって勝てない。

 これを理不尽と言わずしてなんというのか……あれには私達がぶつかるしかない。そもそもが鬼がこの明に出てきたこと自体が私たちの……いや私のせいって可能性あるからね。

 そう考えると私たちが相手にするのは妥当だろう。ようやく波に抵抗できるようになったんだ。ここからその勢いのままに鬼も攻略だ!! なんて鬼のような事を言うほど私は鬼畜じゃない。

 それにここの人たちは進化した砂獣の相手で一杯一杯だろう。さらに動き出した黄金の鬼まで……となったらキャパオーバーだ。だから勇者に頑張ってもらおう。私も出撃準備はしてるが、流石に宵の時のように思いっきり暴れられる……とは行かない。

 鬼がその力を柔然に解き放てば世界を壊してしまうように、私だって鬼狩りをして飛躍的にエネルギーを高めてそしてG-01を強化してきたんだ。つまりはG-01が鬼と同じような力を駆使して暴れると周辺は灰塵と化すし、それだけでは済まない可能性が高い。だからこそ、安全装置が必要なのだ。

 でも負けるわけにいかない。私が倒されるなんてことになったら本末転倒だ。だからそこらへんの調整が難しい。なのでここは勇者にまずは頑張ってもらう。勇者と黄金の鬼、そのデータをもとに、どれだけの力を解放すればこの世界への被害が最小限ですむか……そして確実にこれならあの鬼を倒せる……というところまで詰めておきたい。

 

「そのためには勇者の頑張りが必要だね」

 

 決してデータを取るために生贄にしようとしてるわけじゃない。私が負けたらそれこそ世界の終わりになってしまうかもしれないから、確実を期すのは当然なのだ。それに最近成長著しい勇者である。もしかしたら私が出る幕もなく終わらせることができる可能性だってある。

 確かに低くはある。でも、なんか勇者なら……って可能性を見ちゃうよね。きっとそういう希望を抱かせるから、勇者は勇者たり得るんだと思う。

 さてさて、進化した砂獣とこの街の住人たち……そして勇者と黄金の鬼……さらにはそこにちょっかいかけようとしてる変貌してしまった仕掛け人である教会の奴ら……それらを観察しつつ、要所要所でアシスタントしないといけないから、私はとても大変だ。