「確か黄金の鬼はこれを引っ張っていたよね?」
なら引っ張ることで、何かある? 出てくるってことか? けど……あれな地面をかなり引き上げてたからね。それをここでやるとどうなる? 空の宵の比率が上がるのか? 明がもしも大きく壊れてしまったら、どうなる? 今は世界が定めた宵の時間ではない。もしも強制的に宵にしたらどうなるのか? ちゃんと街は保護されるのか? もしもそうじゃなかったら、この世界の人達が宵に放り出されることになる。そうなるとどうなる? 助かるのか? てか宵に人達はいきられるのか? よくわかんない。
宵には地面とか無いから、永遠に落ち続けるって事になりそうな……宵には底もないから、もしも街を維持できなかったら、全てが落ち続けるってことになるような気がした。本当にそうなるかはわかんないけど。もしかしたら何か別の……それこそ町の外の空間に人体が耐えきれなくて、宵になった瞬間に死……なんてことも実は考えられる。なにせG-01だと空気とか別に関係ないから、実は宵に空気があるのかもよくわからない。
一応確認しておこうとおもって、今までのデータで宵で生命……鬼とかいう例外的な生き物ではなくて、ちゃんとした動物的な生命が宵で生きれるのか……それを確かめてみる。
「うん、やっぱり無理か……」
なんとなくそうじゃないかとは思ってた。データを見返してみた結果……生命の活動は不可と出てきた。てかやっぱり空気的な物がない。それにどうやら宵はエネルギーが濃い。そうなるといくらこの世界の人達が丈夫でも、それは耐えられないくらいの濃さだ。宵にこの世界の人々が生きてられるのは、結界に守られてるからだ。街の中にいるから。
宵に動き回れるらしい教会の奴らも基本結界で守られてる街で活動してるのも、勿論自分たちにとって厄介な奴を消すためでもあると思うが、結界の外で活動するのは難しいからかもしれない。
「そもそもこのぷにぷにって何?」
世界に根付いてるのか? なんかめっちゃ深くまでほったら出てきたし、今も空間が割れたら出てきた。そして明と宵の間にあるというのがわかってる。つまりは、これが明という世界を包み込んで維持してる? とは考えられないだろうか?
「それにあの黄金の鬼は確か、破壊衝動マシマシだった筈だ」
そんな鬼がこれを狙ってた。眼の前の目障りな奴らではなく……いや、もしかしたら鬼にとっては勇者さえ、目障りとも思えない矮小な存在だった――という可能性もなくはない。まあそれはいまはいい。このプニプニがなにかって予測だ。ようはその破壊衝動マシマシな鬼がこれを率先して狙ってたということだ。破壊したいものがもしもこの世界だったとしよう。そしてそれが最も効率的に出来るのが、このプニプニを破壊することだった……としたらとても効率的な動きをあの黄金の鬼はやってたということになる。
「そうなると、このぷにぷにに敵対するのはまずいよね。えっと、私は敵じゃないよ?」
とりあえずそんな事を伝えるようとしてみた。