私は明と宵の間に入った。ネナンちゃんを出すことでブニブニは道を開けるかのように開いてくれた。そしてやっぱり何か拍手されてる。なんで? だけど……別にそれ以上は何かしてくるわけでもない。
それにもしかしたらこの感動の親子の再開に対して拍手万雷してるのかもしれないし。
「ありえないか……」
そんな事を思ってると「ん……」と言ってネナンちゃんがもぞっとした。さっきまではG-01へと格納してそこで常に薄く睡眠薬を満たして起きないように実はしてた。それをやめたからだろうか。それか、彼女は眠ってても何かを感じたのかもしれない。
そんなネナンちゃんの周囲を2つの魂がくるくると回る。
「私……え? なに?」
おきたらなんか状況が変わってるのに彼女は戸惑ってるようだ。あの凶悪な見た目の鬼はいなくなって、光がなんか回ってるからね。実際、ネナンちゃんはあの凶悪な見た目の鬼を全く怖がってなんていなかったが……
「お父さん? お母さん?」
彼女はなにやら自分の周りを回る光の正体に感づいた。通じ合うものがあるのか、それともネナンちゃんの勘が鋭いのか……それはわからないが、ここはきっと通じ合うものがある……と思ってたほうが雰囲気的に良いだろう。
光はネナンちゃんが両手を開いてお皿にした場所にちょうどよく収まる。そして一人と2つの光が見つめ合う。きっと今、ネナンちゃんは両親とはお話してるんだろう。
「ねえ……ジーゼ様……これ本当にお父さんとお母さん?」
ええ? なんか困惑した表情でネナンちゃんがこっちを見てくる。いや……多分そうだと思うけど……確実にそうとは私もいえない。一応根拠はあるし……私はネナンちゃんに向かって頷いておいた。
「そっか……そうだよね。それは……ね。感じるの……この二つの灯り、懐かしい感じがするもん」
うんうん、そうだよね。それなら……
「でも、何も聞こえない。何も話せないよ」
そう言ってネナンちゃんは涙目になってる。