「うーん、でも入れ物が必要って言われても……ね」
私は困った事態になってることに頭を悩ませる。いや、いつもの私、そしていつものG-01ならこんな事は別に問題ではない。なぜなら有り余るエネルギーを使ってそれができるからだ。別に一体・二体くらいのドローンはG-01の機能とかで作り出すこと出来るからね。
そういうプレーンというか、設計図が予めあるのだ。そしてある程度のものならG-01は物質から生み出すことが出来る。それがどういう原理というか、科学の力のなのかは私の頭ではまだ理解できない。もしかしたら後百回くらい脳の機能を拡張すれば理解出来る様になるのかもしれないし、いくらやっても駄目なのかもしれない。そもそも脳を拡張してるのって別に頭が良くなってるわけじゃないし。なんか処理能力や記憶領域が増えてるって感じである。
パソコンで言うなら、SSDやメモリを増やしてるだけで、CPUを改善してるわけじゃないっていうか? そんな感じだと思う。けどそれだと行き詰まるのは目に見えてるわけで、もしかしたら最初にそういうのを増やしておいて、後からの拡張でCPUを改善していくのかもしれない。
だっていくら机が広くなって、更に沢山の物をしまえる棚が増えたとしても、机に積み上がっていくタスクは、それを処理できる頭事態が良くならないと溜まっていくだけになるのだ。
いや、普通に生活するだけならきっとそれでも困ることはないだろう。そんな社会がこの世界の何処かにあって、そういう安寧が許されるのならば……だ。けど私にはそんな選択肢はない。
なぜなら私はG-01に囚われてるからだ。保護されてる……と考えることも出来るが、それは同時に囚われてる……と考えることだって出来る。だって私はここから出ることは出来ないからね。
「今作れるもの……いや、待てよ……」
細々と考えることは私にはあんまり似つかわしくない。ようは回復をができれば、新たな体を生み出す事ができる。はっきり言って、この場合はそんな高性能なんて求めてない。勇者や魔王、そしてアイに作ってやった体ほどを求められてるわけではない。というか、そんなのを作ってしまって与えたらある意味で問題になる様なきがする。
だってそんなのしたら、死んだ人も生き返らせることが出来る――みたいな認識になってしまわ無いだろうか? それはとても危険な誤解である。そもそもが考えてみたら、勇者も魔王も入れ物があるからこうやって世界を渡って生き続ける? みたいな事ができてる訳で……ちょっと考えれば魂にはそれを安定化させる為に器が必要だと気づくことが出来る。だって実例が傍にいたんだからね。
「エネルギーはあそこにある……」
私は宵で必死に分解爆発した穴を埋める鬼を見た。鬼の角を手に入れることができたら……エネルギーは十分に補充できる。