私は明と宵の間の空間に戻ることにした。なにせ目的は達した。鬼のエネルギーを得ることでG-01の損害は既に回復してる。そして私への生命維持とか諸々のサポートも戻ってる。
息苦しさなんてものなくなって、いつもよりも体も髪もツヤツヤしてるかのようだ。きっと気のせいじゃない。私にもエネルギーが満ちてる感じがある。
「あ、なるほど……」
私は宵からネナンちゃんが待ってる謎空間に入ろうとしたが、開いてくれない。けどそれはそうだった。だってここを開くためにはネナンちゃんが必要なのだ。そしてそのネナンちゃんは既に中にいる−−という事はここを開く手段が今はない……ということになる。
「ふむ……」
私はG-01を操作してその腕を動かした。そして右の掌をモミモミする。ちょっとだけそうやって手を開くとそこには一つの棒みたいなのがある。
「まあ、これでいいか」
私はさっき、ここを通るときにG-01の全身の力を使ってこの機体そのものをネナンちゃんという誤認をさせるという手を打った。でもあれは無駄が多いと思った。そもそもがサイズが全く違うし……サイズが違うとそれだけエネルギーがね。まあ放出してるわけじゃなかったから、そこまででもなかったわけだけど、小さい方が楽なのは確かである。
なので棒を作ってそれにエネルギーを通す。それもネナンちゃんのエネルギーに似せたエネルギーである。これで開いてくれるだろう。
「…………ん? ダメ?」
なんか開かないぞ。そんな馬鹿な。この空間はバカだと思ってたんだけど……なにせG-01とネナンちゃんのサイズ感を感じないような空間である。いや、空間とかそういう大きな括りの存在? というか何かみたいなのはガバガバなんだと思ってたんだ。
なのにこれは無理なんだ……なんか納得できないね。流石に既にネナンちゃんが中にいる……というのは認識してる−−ということなんだろう。そんな中途半端な賢さはいらないよ。まさかこれで騙せないとは……予想外である。
流石に馬鹿にしすぎてたか。
「じゃあどうしようか?」
こうなったらもう手段は一つしかないような? 私は取り敢えずG-01の手をその空間に突っ込んだ。だってこれは……仕方ない。仕方ないことなんだよ−−と言い訳を並べてみる。