uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 781

「はあはあ……」

 

 苦しい、けどそんな事は言ってられない。なにせ自分が止まったら、それだけでこの均衡が崩れてしまう。

 

「「「隊長!!」」」

 

 そう言ってるのは再び立ち上がった自分の部下たち……いや仲間だ。一度その心は折れてしまったが彼らは再び立ち上がってくれた。そして市民たちとともにここまで来てくれた。

 そんな仲間たちが一体の砂獣を封じてる。それは体がぶよぶよしてて、周囲に半透明の壁を作ってるような……そんな謎の砂獣だ。よくやってくれた。あれは後方からこっちを撹乱してきてた砂獣だ。

 直接近接戦闘を挑んでくる砂獣も厄介だが、ああいう後ろから支援されるのは本当に厄介だ。最初の頃はさっさと近接戦闘を仕掛けてくる砂獣を倒して……とか思った。なにせ普通は砂獣は戦術とかいうのは使ってこない。ただ餌を見たら突っ込んでくる……それだけだ。

 そんな相手をずっと相手にしてきたから、自分たちもそれに合わされてたと気づいた。もちろん、罠とか搦め手ってやつは長年戦ってきたから色々と経験はある。でもそれは落とし穴とか、足止めする術とか、攻撃を受け止めて、止まったところで一斉に攻撃するとか……そんな所だった。それに我々には自分の筋力を強化するとか……そんなことくらいしか出来なかった。

 だから作戦は事前にできることをやると、後は全員前にでるっていうそんなことしか出来なかった。でもこの砂獣達は違う。この砂獣達はこれまでの砂獣達とは比べ物にならないくらいに多彩だ。それこそ形から、攻撃手段から全て……聞いたところによると、どうやら教会の手による改造がはいってるらしい。

 教会が……という気持ちはある。だが教会はこのサーザインシャインインラを見捨てた。そういうこともあるかもしれないと思える。それに今はそんな黒幕のことなんて考えてる場合ではない。

 必要なのはこいつらを倒すという意思だ。そしてその手段。あのブヨブヨとしてた砂獣は後ろで壁をつくり、そして霧とかも発生させて、その姿をくらましていた。そんな敵を炙り出して、自分たちの武器を周囲の壁に刺して、部下たちがその動きを止めている。

 これ以上のチャンスはない。

 

「どけえええええええ!!」

 

 俺は相手をしてた人形の腕が八本……いや、いくらでも腕が生える砂獣を吹き飛ばす。こいつは最初はそれこそ、そこまで上手くその腕を使ってなかった。寧ろ煩わしそうだった。けど、俺と戦っていく内に、こいつは強くなっていた。でもまだ……まだ技術はこっちが上だ。奴が振り下ろしてたところに合わせて剣を滑り込ませて、それで体を一刀両断。けどそれでもこいつは死なない。それは判明してる。でも今はこいつじゃない。

 俺は一気に仲間たちが動きを封じてる砂獣に迫る。他にも特別な砂獣はいるが、そいつらは他の仲間達がなんとか止めてくれてる。ここでこいつを……一体だけでも確実に殺す。剣が光を放つ。こっちに壁が何枚も現れる。どうやら危険を察知したらしい。けど……

 

「ふっ」

 

 俺は一振りでそれを吹き飛ばす。この武器の使い方、かなりもう把握してる。この武器は素晴らしい。それに今は今まで一番出力が高い気がする。これなら!!

 一回斬る……なんて事で終わらせない。一振りで十の剣閃が飛ぶ。それによって細切れになった砂獣。けど、欠片でも体があれば再生できたりするかもしれない。さらに力をこめて、消し炭にしようとした。けどその時だ。足元に違和感を感じた。

 

「離れろ!!」

 

 俺は叫んだ。その瞬間、砂から幾つもの突起物が突き出てきた。どうやらさっきまで切ってたのはこの砂獣の分身だったらしい。本体はどうやらずっと砂の中にいた。なんて……ことだ……

 

「くっ!?」

 

 砂の中にいた砂獣を炙り出したのは成果だっただろう。けど追撃は出来なかった。俺がさっきまで相手してた腕多数の砂獣が攻撃をしてきた。それを受けるだけで精一杯。ふっとばされた。

 

「かはっ!」

 

 まずい……片腕が使い物にならなくなった。戦闘力がどうしても低下する……それに内蔵もダメージをうけてる。口からあふれる血……けど負けるわけには……倒れるわけにはいかない。

 そんなときだった。地面を揺らして、巨大な存在が降りてきた。