一体混在砂獣は何をやってるのか? 謎である。だって流石にこれで私に攻撃が通る……なんて思ってないと思うんだけど……今まで十分にG-01の頑丈さはわかってるはずだ。それなのに直接的な攻撃ではなくて、その衝撃を飛ばすだけ。これで流石に攻撃が通ってるなんて思ってる訳はないと思いたい。
流石にこの特別な砂獣達はそこまでのバカじゃない……ってのがわたしの評価だったんだしね。でもまあ中にはバカが居てもおかしくはないのかもしれない。実際この空気を叩きつけて来るような攻撃はG-01ではなくて、人が食らうとそれだけでぺしゃんこになるくらいの威力はあるし、ここの建物だって……既に残骸だが、それが更に崩壊するくらいには強力だ。
だいたいこの世界の建物は石とかでできてるからね。それがぶっ壊れるから、人の体なんて当然耐えられる威力じゃない。
「それなら」
私は、グッと拳を握った。そして混在砂獣の拳に合わせて、私も拳を振るった。するとこっちの衝撃と向こうの衝撃が中間地点でぶつかり合う。当然だけど、強いほうが弱い方を潰して進み続ける事になる。
そして当然だけど、進み続けたのはこっちの衝撃波である。それが混在砂獣にぶつかって、ヤツの突き出してた腕が吹っ飛んだ。でもこんなのではおわらないよ。
「はっ! はっ! はっ!」
と私は何回も拳を振るう。それによって当然だけど、数回の衝撃波が発生する。一回目で腕を失った混在砂獣は次に上半身と下半身が分かれた。そして更に次で下半身が消失して、最後に上半身に衝撃波がぶち当たってその存在が粉々になった。
「よし……あとは」
私は後方をパッと振り返ってその存在をつかんだ。そこには姿を隠してたアラクネ型砂獣がいた。きっとこれで自分も死んでしまうんだろう。そう思ってることだろう。
でも邪魔者はもういないだの。ちょっとした実験に付き合ってもらおうじゃん。その布の下の目も見てみたいしね。もしかしたら本当に超絶美女の可能性あるからね。蜘蛛らしく、もしかしたら目が8つある可能性もあるが……それはその時だ。
私はアラクネ型砂獣の頭を手で包み込んでる。ここからその存在に干渉しよう。まあようは脳をハッキングするみたいな……そんな感じだ。けどそもそも砂獣には脳なんて物はなかったりするんだけど。
「やっぱりこいつらは違うね」
でもどうやらこのアラクネ型砂獣にはある。それはそうだろう。だって考えてたし、その力を高めるようなこともしてた。普通の蟻型の砂獣とかにはないからね。やっぱりこいつらは特別。けどだからこそ、私も干渉できてしまうっていうね。