uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません) 運命という世界線を壊せ 827

 地上で待ち構えてるかと思った黄金の鬼だが、なんと砂を蹴ってこっちに来る。こっちも空気を蹴って、鬼にまっすぐに向かってたからびっくりだ。鬼はあの巨体にしてはとても速い。だが捉えられない速さじゃない。

 なので向かってきた拳をギリギリで避けた。でも鬼の拳がアホみたいなスピードだったから、鬼のパンチで空気が乱れてて自分の体がめっちゃグルグルと回る。けどそれでも狙いは一つ!!

 鬼の顔と交差するその瞬間。聖剣を素早く振り抜く。その瞬間――

 

ガキイイイイイイン!!

 

 ――と弾かれた。けど角を見ると、何かが漏れ出てた。それに鬼も「ガア!?」と一瞬吠えた。それはきっと痛みだ。あいつは腕を落とされても、そんなに痛みなんて感じてなかったみたいな感じだった。けどやっぱりだけど、角は鬼の弱点なんだろう。

 ここを攻撃されたらやばいとわかってる。でも大抵はあの角を切るなんてことができる存在はそうそう居ないだろう。あれだけの高密度のエネルギーが集まってる物体を叩き切る……それは元の体の時には絶対にできなかった。けど……今なら……

 

「まだまだあ!!」

 

 更に自分は魔法で足場を作ってそれを蹴った。そして鬼に追いすがり、更に斬りつける。けどそれを鬼は顔を背けることで避けた。でもこれは――

 

(避けたってことは、聖剣を驚異に感じてるってことだ!)

 

――そういうことだろう。でも逃しはしない。急旋回して、追いすがる。けど次はその顔を向けてきた。そしてその口を大きく開ける。

 

(誘われた!?)

 

 逃げるふりをしたのかもしれない。自分が角を狙ってるのはわかってたんだろう。だからこそ、一回逃げたふりをして自分が追いかけて来るところをパクっとする気。

 

「うおおおおおおおおおおお!!」

 

 自分は止まらなかった。本当ならここで一回止まって避けるだろう。鬼だってそう思ってたはずだ。けど自分は鬼の口に突っ込んだ。そして口の中で聖剣を突き刺して、次の瞬間、鬼の首のところから背後に出た。そしてそこから頭上にいく。完璧なポジションだ。

 

(次こそ行けます!)

 

 そう言ってくる聖剣。でもそんなの言われなくても確信めいてた。何故か切れるってわかった。自分は聖剣を振り抜く。鬼はとっさに両腕をクロスしてかばった。でもそんなのさえ意味なかった。腕は一瞬、角は抵抗を感じた。けど、それでもかかった時間は刹那の最中だ。鬼の角を切った聖剣の力は、この世界にも爪痕を残すような一撃だった。