uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

転生したらロボットのなかだった。運命という世界線を壊せ 829

 私は今生身でこの場所にいるような気がしてるが……実のところ、私は普通にG-01の機能が使えてる。もちろん今までのようにモニター越しにその情報を見てる感覚ではなくて、なんか視界や脳に直接情報が加えられてるみたいな? そんな感じだ。まあけど違和感はない。なにせシンクロ率100パーセントになるとこんな感じだからだ。

 なので馴染みがあるからこれ自体は簡単に受け入れることができる。でもそれでもシンクロ率100パーセントでもこんなふうだっただろうか? 確かにシンクロ率100パーセントは完全にG-01が私の体なのは確かだ。けど手とか見たら、それは私の体……つまりは私の手が見えるんじゃなく、もちろんだけど、G-01の手が見える。あたりまえだけどね。

 けど……だ。私はそう思って私自身を見下ろした。いやまあそうしても見えるのは白い光に包まれた私の体なんだが……でもそれが今までと明らかに違うのだ。

 

「なにか脳に干渉でもされてるの?」

 

 そんな風に思ってしまうよ。だって確かに光に包まれて完璧には見えないが、この華奢さ……そして胸の盛り上がり具合はいつも見てる自分の双丘なんだよね。だっていつも見てるから、どのくらいなのかはよくわかってる。それに……だ。

 

「あるんだよね」

 

 実際光に包まれてるとはいっても、ちゃんともめる。そしてその感触だってある。やっぱり私は強制的にG-01の外に出された? いやいや、それは考えづらい。だって私という存在はG-01によって支えられてる。実際外に出たいとは思ってた。まあここが外なのはかどうかとして……いつかは……って気持ちは確かにあった。

 実際問題、私はあそこでしか生きられないんじゃないんだろうか? という感覚もあったのだ。私につながってた管とかなんかを考えたり、そもそも私は食事を必要としなかったり、排泄物だって……ね。極端にない。私はきっと普通の生物ではない。そう思ってた。だからもしかしたらコクピット内から出た瞬間に、私はドロドロに溶けてしまうんじゃないか? という想像だってしてた。

 なにせ私に関する情報はG-01でも見れないんだよね。もちろんだけど、健康状態をモニタリングはできる。けどそれは現状健康か、そうじゃないかを判断できることしか伝えてくれないんだよね。G-01にしてはどう考えても情報が極端に少なくされてる。そしてそれにアクセスする権限は私にはない。

 

 それらを考慮すると私が外に出された……とは考えられない。きっとこの龍が私の精神に干渉してきてるんだろう。こんな状態で、それをやってくる意味。実際ここが精神干渉の世界なら姿かたちなんて自由自在のはずなのに、わざわざ弱ってる姿を見せてるとしたら……なにか切実に伝えたいことがあるんだろう。

 それか同情を誘いたいとか? とりあえず私はは意を決して横たわる龍に近づく。そして私が見上げないといけないほどに大きな顔の前に来ていってみた。

 

「なにか伝えたいことがあるのかな?」

 

 すると龍がその目をあけてこっちみる。そしてわずかに息を吐く。わずかだけど、すごい空気がでてくる。まあサイズがサイズだからね。それから言葉を紡ぐのかと思ってたら、なんか反響するような声がたくさん聞こえてきた。

 

「「「世界」」」「「「限界」」」「「「崩壊」」」「「「足りない」」」「「「役目」」」「「「不可」」」「「「支え」」」「「「譲渡」」」

 

 やらやら、なんかたくさんの言葉がこの空間に響く。