「ちょっと、もっと伝わるようにしなさいよ」
はっきり言って、こんなただ言葉をぶつけられるようにしても、何を言いたいのかまったくわからない。単語から意味を推察することはできるが……でもそれって私の思い込みの可能性だってあるじゃん? それで勝手に行動したら「思ってたのと違う」とかキレられても困る。
なのでちゃんと確認しておきたいわけだ。
「私が受け入れるかは別だけど、聞くだけなら聞いてあげるから、ちゃんと伝える努力はして」
私はもう一度はっきりとそういった。鬼もそうだけど、こういう世界を支える存在? には意思を伝える方法ってのが欠如してるとおもってる。まあ必要なんてないんだろうけどさ。
『限界』『世界』『自身』『代解』
そんな言葉が伝わってきた。ちょっとだけ整理されてる印象は受けた。この厳選された言葉から解釈するにこういうことじゃないかな?
「世界は限界を迎えてる。自分ではもう受け止められない。代解としてお前が何とかしろ」
――である。この龍はもうからっからだからね。なんか寿命が来てる感じがある。実際世界を支える存在であるこいつに寿命があるなんてのは不可解だ。もしもそういうのがあるとしても、きっと勝手に再生する機能とかがある思う。
「でもそれももしかしたら世界が正常に回ってたら……なのかも?」
「肯定」「仕組み」「限界」「崩壊」「介入」「破壊」
ふむ……私的にはただの独り言だったんだけど、なんか龍が反応を返してくれた。それにを分析するとこうなる。
『肯定する。世界の仕組みは崩壊の危機にある。介入され破壊された』
ってことであろう。ふむふむ、世界の仕組みをぶっ壊すとはなかなかに大それたことをやるやつがいるものだ。きっと教会の奴らだろう。あいつらは何年もこの世界に巣くってる癌みたいな存在だ。あいつら以外には考えられない。なにせ奴らはこの世界が崩壊したら、楽園? への道が開かれると信じてるみたいだからね。
それにきっと最後の一押しはあの黄金の鬼だと思う。あいつがこの龍からエネルギーを奪ってた。それできっとこの龍は「もうだめだ」とおもったんだろう。
でも今崩壊されると困る。もしかしら本当にそれこそが教会の狙いかもしれない。そもそもがなんで鬼が黄金になって落ちてきたとかいろいろと疑問点はある。サーザインシャインインラへの波だってそれを起こしたのは十中八九教会だ。
すべてはつながってる。奴らは太陽に到達して楽園への扉を開きたがってる。そして自分たちだけが楽園へと至れれば、あの世界なんてどうでもいい。
「受け入れてほしいってことは、私にあんたの役目を引き継いでほしいってこと?」
私のその言葉に、横たわってる龍はうなづいた。確かにG-01ならそれができるポテンシャルはあると思う。けど……だ。でもそれってこの世界にしばられるだろう。はっきり言って、答えは決まってる。
「それは無理」
私はすぐにそう返した。けど、落胆しないでほしい。私はその役目を担えないが、きっとなんとかできるよ。