uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)運命という世界線を壊せ 835

「いったい何が……いや、あの方しかいないな」

 

 そう、こんなことができるのはあの方『G-01』殿しかいないだろう。見えなくてもわかる。実際もうだめかと思った。なんとか黄金の鬼を倒したものの、奴が抱えたその莫大なエネルギーが暴走しだした。

 そこまで計算してなかったのは自分自身の落ち度だろう。なにせちょっと考えればその可能性には思いつくはずだった。なにせ何回かはそんなことはあった。強大な力程、寄り辺を必要としてる。それは不安定であるからだ。だからこそ、それを受け入れてたものがなくなると、行き場を失ってしまう。だからどうするのか、戦ってる間に決めないといけなかった。自身が取り込むのか、それとも世界に薄く流すのか……取り込めるのが一番良かったが、さすがにこの世界のエネルギーを、それも鬼が内包してるほどのエネルギーとなったら膨大だ。

 いくら自分がノアのおかけでこの世界のエネルギーを自身のエネルギーへと変換できるようになったといっても、さすがに一気に鬼の膨大すぎるエネルギーを取り込むとリスクの方が大きかった。それに本音を言えば……

 

(そんな余裕はなかったからな)

 

 それが真実。なにせそうだろう。こっちは真剣で命のやり取りをしてるのだ。もしも先を考えることができるのならば、そこには余裕がある――ということだろう。けど大体、自分はG-01殿とは違う。そんな余裕はなかった。だからこんなピンチになってしまった。戦いは決着がついて終わり……じゃない。それを何度かは経験してるというのに、やっぱりこれからの為に、どうにかしないといけない。

 

「これは……」

 

 鬼の莫大なエネルギーは一気にきえた。それでよかったよかった――と思ってたら、なんか自身の中に満ちるエネルギーを感じる。さっきまで疲弊して体がだるかったのがうそのようだ。それに元に戻った――訳じゃない。より多くのエネルギーを自身が内包してるのがわかる。

 

「ご褒美ってことじゃないですか? さすが主っす!」

 

 なんか頭の中で調子のいいことをノアがいってくる。聖剣はすでに元の姿にもどって、うんともすんともいわない。けど、自身が強化されたということは、自身と同化してる聖剣だってそのエネルギーの影響を受ける訳で、きっと調子がいいことだろう。なにせかなり無茶をさせてしまった。これで補填してくれれば助かる。

 なにせ自分は聖剣を頼りにしてる。いや、頼りにしすぎてるかもしれない。そのくらいは信頼してる。だから聖剣に見捨てられたりしたら詰む。まあそんなことはありえないと思ってるが。自身の内と会話してると、こっちを見てる存在に気づく。

 それは一緒に戦ってくれた砂獣だ。蜘蛛に人の上半身がくっついた感じの彼女……実際彼女の功績も大きいだろう。自分はそんな仲間に笑顔を向けてこういった。

 

「お疲れ」

 

 するとなんかそっぽを向かれた。ちょっとショックだ。そんなことをおもってると砂丘の先から声がきこえる。それは「おーい」と呼んでる。見てみると、どうやらアズバインバカラの軍隊らしい。全てが終わってしまったが、サーザインシャインインラはこれから復興しないといけない。そのためにも、彼らにの助力はきっと大きな助けになるだろう。自分は手を振り返した。