uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)運命という世界線を壊せ 840

 ネナンちゃんは植物を生やしたら、見学にきてた人々に手を振って籠に戻っていった。そしてそこで待ってたプニ子に抱き着いた。

 

「はう……」

 

 そんなことを言ってプニ子の冷たい体に頬を押し当ててる。どうやら王様や王子さまはまだ何やらやってるらしい。ネナンちゃんの体調を考慮して先に戻してくれたみたいだ。

 

「これでいいんだよね……」

 

 ネナンちゃんはそういってプニ子をみる。それに対してプニ子は「ぷにぷに」とかえす。なんて言ってるのかは当然だけど、ネナンちゃんはわかんない。でもよしよしと頭をなでてるから、きっと気遣ってくれてるんだろうってネナンちゃんは思ってる。

 

「私がこの世界を救うんだ」

 

 そんな事をぽそっとつぶやく。どうやらネナンちゃんは両親との別れをちゃんと終えたことで、これからは先を見据える覚悟をしたらしい。これまではどこか後ろ髪をひかれてる感じが彼女には常にあった。それにきっと戸惑いが自身に宿った力を扱うのも心のどこかで枷を作ってたのかもしれない。

 だから今まではネナンちゃんはその強大すぎる力を全く持ってあつかえてなかった。けどサーザインシャインインラの戦いが終わって、それからあわただしく皆が動く中、ネナンちゃんは言ったんだ。

 

「私に魔法を教えてください!」

 

 ――と。でも皆は困っただろう。なにせこの世界の人たちは基本的な魔法だって使えない。その力はあるけど、それは教会が牛耳ってる。だからどうしたらいいか……答えは簡単だ。王様たちは勇者に頼った。まあそうなるよねって感じだ。

 勇者の使う魔法はこの世界の魔法とは違うだろうが、それでも基本的なことは教えられるだろうってことで、勇者に王様たちは頭を下げた。なにせネナンちゃんはこの世界で一番といっていいほどの力を有してる。

 どこまでいっても私たちは部外者だからね。G-01や勇者とかを担ぎ上げたりはしにくいだろう。流石に全く別の世界の者たちに頼り切るってのは王様もどうかとおもってる。

 私たちをないがしろにしてるわけじゃないが、私たちはずっとこの世界にいるわけじゃないからだ。それをわかってるから、純粋なこの世界の人に希望ってものを背負ってほしいんだと思う。

 そしてそれがネナンちゃんだ。ネナンちゃんは今、勉強とかもめっちゃ頑張ってる。そして魔法の練習も。まずはやっぱりだけど、その力を制御する勉強をした。

 実際、それは前からやってたけどね。でもうまくいってなかった。それはきっとネナンちゃんの心の問題だったんだろう。覚悟を決めてからは、案外あっさりとそれはなしえた。そうなるとネナンちゃんのあふれ出るエネルギーから作ってたアクセサリーとかがなくなっちゃうんだけど、まあそれは今まで作ってた分がたくさんあるからあきらめてもらった。

 それからネナンちゃんを通して発露する力にはどうやら大地に影響を与えることができるということが分かった。彼女を力が使えば、どこからともなく、発芽する。そして注ぎ込む力に応じて、成長するのだ。それによってこの砂に覆われた世界を変えることができるかもしれない。

 それはまさに、この世界の希望になりえる能力だといえるだろう。だからこそ、彼女の小さな肩に乗ってる重圧はきっととても重い。