何が起きるのか……そんなことを思って私は中央の様子を見守ってる。檻に入れられて連れてこられた最下層の人々。ハンマーで容赦なく一人が殴られたことで、その中の人たちはもう何も言えなくなってる。そしてそんな彼らをかばう様な人もあそこにはいない。
「かの魂に許しを……」
そういって一番大きな聖騎士が――パン――と両手を合わせて鳴らした。すると天からの光が彼らが入ってる檻へと降り注ぐ。強烈な光だ。よく見えない。けど……
「うわあああああああ!」「た、だずげてええええええ」「ああああああああああああ!」
とかいう断末魔が聞こえてくるから、絶対に見えても楽しいことが起きてるわけじゃないんだろうなってのはわかる。そんな声も聞こえなくなると、光も天に戻っていく。そして檻には人っ子一人いなくなってた。残ったのはぼろ布と枷だけだ。
「彼らは許された。彼らの魂が、新世界の扉の鍵となる」
いつの間にか、空には扉が出てきてた。大きな重厚そうな白い扉。その中には、20個くらいの特徴的な文様みたいな……そんなのがある。そしていくつかは白く光ってて、いくつかは赤く光ってる。
「あの模様にはなにか意味が?」
そんなことを思ってると、さらにでっかい聖騎士が続けてる。
「さあ、すべての鍵を手に入れてこよう。われらが新世界へと行くために!!」
すると、聖騎士達には全員に翼が生えた。そしてドリランドから旅立つ。これは、中央の宣戦布告と受け取っていいよね。奴らはどうやら動き出したらしい。
中央の人たちはそんな彼らを大歓声をもって送り出してる。彼らにとってはこのここ中央以外は同じ世界に生きる仲間とかではないらしい。ただのあの扉を開くカギというパーツでしかないってことだろう。
「それにしてもあの扉の文様みたいなの気になる」
なんか光ってるのも白く光ってるのと、赤く光ってるのがある。それにいくつかの文様はなんか見たことあるような? 私は自分の記憶はあんまり信じてないから、とりあえずその画像をG-01の画像検索にかけることにした。するとなんといくつかヒットした。
「なるほど……それぞれの街のシンボルか。あれがアズバインバカラだし、あれがジャルバジャル。サーザインシャインインラもあるね。中央のデカいのがじゃあドリランドってこと?
あれが街を現してるのだとしたら……もとはこの世界には20の町があったってことだよね。そして残ってるのはドリランドを入れたら八つ。こうやってみるとこの世界終わってる。でも白い光の奴は残ってる街よりも多いよね? 赤いのは何を現してる?」
けど現状を考えるとすでにあの扉、開くの不可能じゃない? って感じがしてきたが、私だけだろうか?