uenoutaの日記

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転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)運命という世界線を壊せ 1086

「どうしたらいいんですか?」
 
 ネナンちゃんがそうアイに聞いている。既にネナンちゃんにはバレてるし、私が直接喋っても別にいいけど……ここはアイに伝えてもらおう。
 
「そうですね。ネナンちゃんのその内の力……それはどうですか?」
 
 そんな事を二人が会話してる間にも戦闘はつづいてる。こっちに向かってくる無数の髪の毛。その先端からぽわぽわと淡い光がでてきた。
 
「これは……」
 
 まさかここまでやるとは。あのメタリファー。一体何をする気だ? もうこうなったら私の中ではメタリファーには明確な意思……というか知性があるの確定なんだけど……なにせだ。なにせ今のこれは明確な時空間の力である。それは教会の奴らではどうしようもない力のはず。ただ体を乗っ取ってただけでは使えない筈の力だ。
 事実、さっきまでの拳や髪の毛にはその力は乗ってなかった。メタリファーは上下さかさまになってた状態から、通常の状態へと戻ってた。つまりはちゃんと頭が上にある状態だ。それが普通なんだけど、なぜかいままで頭を下にしてたんだよね。そのおかげでジャル爺たちは戦えてた。 
 いや、まだ頑張ってもらおうか? 確かに時空間の力は厄介だ。下手に弱者を巻き込むのは心が痛む。けど……彼らも抑えてなんていられないだろう。流石に私たちが戦ってる場所が高いから今は参戦できてないだけで、まだまだなんとか戦いたいと思ってるはずだ。ネナンちゃんと私達だけに任せるなんて……悔しいだろう。
 
「G-01殿! 自分も!」
 
 勇者は私たちの所まできてメタリファーの髪の毛を切りさばいていく。助かる。この少しの隙に私は地上で私たちを見上げてるジャル爺さんたちを引きあげることにする。別に私の道楽とかではないよ。
 
 これもサンクチュアリの覚醒の為だ。どういうことかというと、ネナンちゃんは優しい子だ。だからこそ、私達のような頼りになる存在だけでは覚醒が遠のくかもしれない。そこそこピンチに陥ってくれる存在も必要だろう。
 人は大体ピンチの時に覚醒するものだし。勿論、彼らをいけにえになんてしない。私はそんな教会の奴らの様なマネはしないよ。ちゃんとフォローはする。私は一度砂におりる。そして手を差し出した。
 
「かたじけない!」
 
 そんな風にジャル爺がいった。きっと私が何をしてくれるのか、彼は理解した。ジャル爺が進んでG-01の手に乗ると、他の人達も乗ってきた。私は彼らを乗せて再び空へと飛びあがる。