「え?」
私は思わずそんな声をだしてしまった。だって……ね。だって……なんでポニ子なの? 確かにポニ子はずっとネナンちゃんの傍にいた。今も……いや今はポニ子はきっとアイが彼女を抱えた時に自分の役割を別の事に移行させたんだろう。だからここには居ないけど――
「ぽにぽに!」
「あっいたんだ」
こいつは私のこの専用空間であるコクピット内になぜか入って来れるんだよね。そんなポニ子はなんか偉そう……というか誇らしそう? その寸胴の腰に手をおいて、胸をそってる? みたいに見える。まさに「えっへん」というポーズである。
きっとネナンちゃんが自分の事を頼りになる……みたいに感じてくれてたらしいのが嬉しいんだろう。だってあんなふうに現れるのなら、G-01でもいいと思うんだ。でもネナンちゃんが思いえがいたのはG-01ではなくてポニ子だった。
それがきっと自慢気なんだ。
「はいはい、よかったねポニ子」
「ぽーにー!」
とりあえずネナンちゃんはその体の周囲にポニ子の鎧を纏う。それによってメタリファーが出してた小さな手たち……それをその体で阻む。
「あれが通れないってことは、時空間の力にも対応してる?」
確かにネナンちゃんは私が作り出したアクセサリーの情報を吸い出して時空間の力を得たのはわかってる。けど、あの手はまた別のような? 実際あれにはヤバい感じがしたから、アイも勇者も警戒してる。
時空間の力と一口でいっても、その時空間の中身? というのか何かは色々とバリエーションがあってもおかしくない。時空間事態が複雑だからね。メタリファーならそこら辺を色々とできそうではある。
まあ今メタリファーを操ってるのは教会だけど……
「これ以上、この世界を壊さないで!!」
そう言ってネナンちゃんはまとったポニ子を動かす。その胴体を震わせて手を一斉に弾いた。そしてポヨンポヨンと緊張感がない走り……そのまま突撃して、頭を向けてロケットのように突っ込んだ。
メタリファーはとっさにその手を前に出してクロスする。けどそれでも、ネナンちゃんの突進に大きくメタリファーは押しやられた。どうやら怪獣大決戦が始まったみたいだ。