「う……うん?」
頭を振ってネナンちゃんが苦しげに目を覚ます。実際どんな攻撃を食らったのか……それって私にもよくわかってない。きっと時空間的ななにか? だったんだと思うんだけど、ネナンちゃんの体にも精神にもその影響は見えない。ならば……エネルギーか? 魂と言ってもいいけどね。
目を開けたネナンちゃんは混乱してる。まあそうだろうね。だって何故か外装である大型のポニ子が勝手に動いてるのだ。それは驚く。
「な、なんで?」
そんな風に言って、キョロキョロとしてたネナンちゃん。すると何やらフムフムとしだして「よし!」といった。きっとポニ子と話してるんだろう。そして再び復活したネナンちゃんは勇者とアイに協力しようと動き出す。
「ごめんなさいジーゼ様! 私行きます!」
そう言ってネナンちゃんは直ぐに動き出した。本当ならあんな小さな子が痛い思いをしたのだから、怖くなってもおかしくないとおもう。けどネナンちゃんにはそんな様子は見られない。いや、実際怖いとは思う。でも……ポニ子がいるから……なのかもしれない。
ポニ子が全体で包んで守ってくれてるから、怖くないと思える。実際あの巨大なポニ子の皮を作ったのはネナンちゃん自身何だけどね。
それにポニ子自身が溶けて、本当にネナンちゃんと一心同体みたいになってる。それがネナンちゃんの恐怖を抑えてるのかも。
ネナンちゃんはポニ子を寸胴の体を折りたんだ。どういうことなのかというと、ポニ子の大きく寸胴なその腹から下のところがグググッ――とバネみたいに縮まったのだ。
そしてそれを一気に開放して、「ぽーにーーーーーーーーーーーーーーーー!」――と飛んでいく。まっすぐに前に飛んでいくんじゃなく、巨大なポニ子は上の方に飛んでいった。
あれからどうするのか? と思ってたら、数秒後ポニ子は頭上からなんの脈略もなく落ちてきた。そしてそれはメタリファーを押しつぶす。一気に砂に埋れたメタリファーに向かって、勇者とアイがチャンスに追い打ちをかけようとしてる。
でもその時砂からいくつもの光が走る。不味そうな気配。でも今度は素早くネナンちゃんとポニ子が動く。ポニ子は一回メタリファーからどいた。けどその腕はメタリファーに巻き付いてて、そのまま勢いをつけてメタリファーを砂から引っ張り出して投げ飛ばした。こっちへ……
「え?」
「ポニ!」
何その任せた! みたい力強い声。確かにその判断は間違ってない。寧ろ正しい。けど……ね。私が狙ってるのはネナンちゃんの覚醒だ。後ちょっとだと思うんだけど……