こっちに向かってくるメタリファー。ここで決めることはできない。かといって私が……というかG-01が本気じゃないって思われるのも困るだろう。さてどうするか? 手助けはしたいのは本当だ。
あんまり時間はないが、とりあえず思考加速をして体感時間を引き延ばす。これを使えば一秒が体感時間的には一分くらいに伸びる。戦闘中の一分はかなり大きいからね。
ちょっとプスッとするからあんまり好きじゃないけどね。そもそも何を撃たれてるのかわかんないし。まあけどG-01が私に害を成すことをすることはないから安心はしてる。
そんな事をおもってると……
『貴様もそうなのかぁぁぁぁぁ!?』
『よこせえええええええええ!?』
そんな風な声が私に迫る。G-01じゃない。私にだ。どうやら魂? となった教会の奴らはG-01の中にいる『私』という存在にたどり着いたらしい。だから私をとり殺そうとでもしてきてるみたい。
そうやって私からG-01を奪おう……としてるんだろう。それをやれたらG-01も手に入れることができる……と思ってるんだろう。でもメタリファーだって別にそれをメタリファー自身がうけ入れてるから、操れてるだけである。お前たちにはそれだけの力があるか? といえばそんなことは全然ない。そもそもが魂なんてのはただのエネルギー体だ。
とても不安定なもので、それが寄り集まってるから、わずかに力を得てる状態。それも直接的に魂というか意思に介入できるからこそ、時たま恐れられるって感じだね。
はっきり言って……ここに来るなんて恐れ多いとしりなさない。
『不要な潜入を検知。アクティブィリアシールド展開』
そんな説明がシステム的に私の頭に伝わる。するとその瞬間だ。
『ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!? 寄越せええええええええええええええ!! よこ――』
声が重なるような叫び。けどそれが一瞬にして消えた。どうやらG-01の防衛機構で追い返されたみたいだ。ここに来るのに奴らにはその資格なんてないからね。
なにせここは私という女の子の部屋である。無遠慮にやってくる奴らなんて追い出されて当然である。まあ全く女の子らしい部分なんて一切ないけどね。
拡散された魂の分だけ、メタリファーを操る意思そのものが弱くなるだろう。けどそれって目に見える成果にはならないよね。なにせ魂を観測してるのは私くらいだしね。
ではどうするのか……私はとりあえず考えをまとめてナイフはしまった。そして拳をにぎる。その拳に細工を施して向かってきたメタリファーを殴り飛ばす。そしてG-01の拳が突き刺さった場所にはいくつかの小型の指かくっついてた。
そしてそれが時間差によって爆発する。それと共に、メタリファーの体が踊る様にはじける。この瞬間をチャンスだと思った勇者とアイ、そしてネナンちゃんはその力を高めてる。
それにネナンちゃんの力はこれまでにないくらいに高まってる。
「これは……」
G-01が伝えてくる。誰も気づいないけど、ネナンちゃんの力の高まりに扉が反応してる。これなら!!