uenoutaの日記

好きなものを描いたり、買ったものを紹介していきます。

転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)盤上の迷宮航路へご招待 19

「どうだったんでしょうね。ふむふむ」
 
 なんかミレナパウスさんの深刻な言葉には生返事なアイ。彼女はそんな日記にはそこまで興味なんてなかったみたいだ。ただ事実としてそれを受け止める。それ以上でも以下でもないって感じ。
 ただこの船がそういう道筋を辿ってきた……という事実にしか興味はないんだろう。それをつづった人なんてのはどうでもいい。
 
「こんな空の向こうに行けるような船を作るなんて……いったいどんな世界だったのか……」
「きっと私がいた世界とは何もかも違うんでしょうね」
「世界なんてそういうものだよ。自分の世界を卑下するものじゃない。僕もまだそんなに渡ったとは言えないが、世界はそれぞれで全く違う」
 
 ミレナパウスさんが自分たちの世界のクソさに気づきそうになったから、勇者が慰めてる。優しい勇者らしい。アイは当然無視だ。実際勇者のいう通り、世界とはそれぞれで全く違う。だからくらべるなんてのはナンセンスではある。
 でも、隣の芝生は青く見えるっていうからね。かたやこんな巨大な船を作れるほどの文明まで発展した世界と、砂漠に包まれて車もなくて、生物に乗ってたような自分たちの世界……
 
「なんでこんなに違うの?」
 
 ――と思ってもしかたないよね。まあ全ては神が悪い。あそこの神がね。きっと今頃は思惑通りに行ってほくほくしてるんじゃない? てか一回上手く行ったから、もう一回同じような事をしそうでもある。
 でもあの世界は流石に厳しすぎた。私たちが来なかったら、教会の思い通りになってた可能性がかなり高い。そして教会が勝つか……砂獣に押しつぶされるかしたはずだ。
 私たちのような存在が再び来るなんて保障なんてない。だからもっとあそこの神は緩くした方が良いと思う。
 
「なるほど」
 
 私がミレナパウスさんの世界の今後を思ってると、そんな言葉が響いた。そして何かがモニターに流れてくる。これはアイが一方的に送ってきてる感じだね。
 
「どうですか?」
 
 多分それは私にいってるよね? どうですか? って言われても……いきなり大量になんか送られてきたけど……ナニコレ? そんな事を思ってると……
 
「拡張した脳みそは飾りですか?」
 
 とかディスられた。