私はとんでもない事実に気づいたかもしれない……メタリファーがただの自分の趣味でこの場所に私を……私たちを連れてきたかもしれないということだ。
「いや、いや流石に……ね」
実際メタリファーの思考はG-01でもわからなかった。そもそも考える器官があるのかもわかんないし……そもそもああいう存在はまだまだ謎のほうが多い。あれは所謂G-01の中では「例外存在」とされてるようなものだった。
最たる例外存在はそれこそ『空獣』だ。世界を破壊して回ってるあの存在が最たる例外存在。その存在理由も、そして存在発生した理由も不明。メタリファーもそんな例外存在の一体だ。
神に近い存在だが、あれは神のように世界を作って管理しようなんてしてるわけじゃない。いうなれば空間と時間のあるとこに存在だけしてる元締めのような……そんなものだ。
だからこそ、その生態系というか、生態事態がわからない。この場所だってそうだろう。ここは空間と時間がごちゃ混ぜになってる。きっとここの扉はメタリファー以外は開けることが出来ない。
そう考えると、私達はどうやってここを出ればいいのかって感じだけどね。なにか目的があるのだとしたら、それを達成したら出してくれるのかもしれない。でももしも……もしも本当にただ単にメタリファーが私たちをここに閉じ込めて置くためにここに送ったのだとしたら、どうにかしてやつを引っ張り出す方法を考える必要がある。
そんなことを思ってる間に、どうやら見つけたらしい。私が送り込んでた燕たちが私の元へとやってくる。そして案内してくれた。けどこの内部の場所、ここでは結局断絶されてるから何もできない。私は意識をG-01へと戻した。
『場所はわかりました』
そういって私はその場所をアイへと送る。この船はさっきの船よりも小さいからね。メイン通路以外はG-01は移動できない。どうやら記録デバイスはこの船の奥まった場所にあるみたいだから、G-01ではいけないのだ。まあぶっ壊していいのなら、無理矢理こじ開けていく……というのもできないわけじゃない。
実際それをやっても誰も文句も言わないだろう。けどまあ……別にそんな乱暴なことをする必要もないでしょう。だって私には動いてくれる手駒がいるんだからね。
「こっちですね」
通路に戻ってきたアイ達は少し先に進んで基盤を操作して階下の階段を開く。そしてそこにおりていった。そしてそこでガチャガチャとしてて、少ししたら「あったー!」といってた。
どうやら記録デバイスを手にしたみたいだ。私はそれを受け取って手の中に包み込む。直接、この記録を読み取るんだ。