「来たれ清衣、不浄から、不運から、不幸から、我はただ幸福を望む。転衣ポニ子!!」
うん? なんか途中まではとても格好いい詠唱だった。その詠唱に合わせてポニ子アーマーの中のミレナパウスさんがキラキラしだした。けどそれを観てて、おもった。だって既にミレナパウスさんはポニ子を着てる。そうポニ子アーマーである。
でもだから後半があったんだと思う。だって「転衣」といってる。その魔法で着るはずだった清衣とかいうの? たぶん魔法で編み込んだ法衣みたいなのがあったんだろう。
でもそれをポニ子アーマーへとなじませるのがきっと後半だ。それによってポニ子アーマーに変化が起きるとおもった。
うんそれは起こった。今まではポニ子は薄い水色というか? 大体透明なんだけど、角度によってはうっすらと青く見えるのがポニ子だった。けど今の詠唱によってミレナパウスさんの魔法の影響を受けたポニ子はなんかメタリック? になった。
ツヤツヤとしてるというか? でもこれが秘策だろうか? だってこれでは火力を補うってことはできないような? でも誰も突っ込まないから、私もミレナパウスさんをまだ信じてる。
ミレナパウスさんは歩く。なんでもないように前に出た。そしてそんなミレナパウスさんに目玉達はまっさきにその腕を伸ばす。ムチのようなそれがしなって力強くミレナパウスさんに振り下ろされた。
ズガーン!!
という音がすると思うだろう。けど違った。いやしたけど、次の瞬間その音とともにダメージを追ったのはミレナパウスさんじゃない。目玉の方だった。その触手……いや触手だけじゃなく、その体が破裂した。
「これは……」
それは外圧で壊された感じじゃない。G-01によってスキャンしてみたら、どうやら内部からの衝撃で破裂した? 感じだ。
「うまくいきました!」
そんな風にミレナパウスさんはキャッキャとして飛び回ってた。どうやらミレナパウスさん的には狙い通りだったみたいだね。これが今の清衣の特性? それがポニ子と統合された事によって強化されたのかもしれない。
ミレナパウスさんは自身では火力は出せないとわかってるんだろう。だからこそ、相手の力を利用した。きっとミレナパウスさんの今の魔法は「反射」だ。けど通常だとその許容量を目玉は超えただろう。
そうなると反射できずにミレナパウスさんがぺしゃんこになる。でもポニ子アーマーという強力な鎧を得たことで、その耐えられる許容量が飛躍的にあがって、反射するときの威力も飛躍的に上がったんだろう。
だからこそ、一気に目玉は内部から炸裂して吹き飛んだ。なかなかにすごい力だ。これならかなり安心できる。